2017 Fiscal Year Annual Research Report
Determination of the most effective carbohydrate content in diabetic diet therapy
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26870556
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
深津 章子 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (10709778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低炭水化物食 / 脂質 / 耐糖能 / コレステロール / 中性脂肪 / 体脂肪 / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
【昨年までの研究実績】これまで、低炭水化物食を食べた後の血糖やインスリンの反応を評価してきた。炭水化物を減ずることにより相対的に増えた脂質が、次の食事の血糖反応を増大させることがわかった。 【目的】極端な炭水化物制限食の有用性と弊害の報告は多いが、実行可能な緩やかな炭水化物制限食の影響を調べた研究は少ない。そこで本研究では健常人が脂質量を抑えた緩やかな炭水化物制限食を1週間夕食として摂取したときの糖質・脂質代謝への影響を評価した。【方法】健常な若年女性10名を対象とした。試験食は、エネルギーが600kcalの標準食(たんぱく質:脂質:炭水化物=15: 25: 60)と低炭水化物食(同25: 35: 40)の2種類を設定し、食物繊維と食塩量を同等に調整した。無作為クロスオーバー方式にて、1週間試験食を夕食として喫食した後、ウォッシュアウト期間を経て、もう一方の試験食を1週間摂取した。両試験食摂取前に体重・体組成の測定、空腹時静脈採血を、摂取後に体重・体組成の測定、空腹時静脈採血、75 g経口糖負荷試験を行った。【結果】75 g経口糖負荷試験における血糖値・血清インスリン濃度は、両試験食間に有意差がなかった。脂質代謝においては、低炭水化物食摂取後の中性脂肪が摂取前に比べて減少し、標準食摂取期間の変化量と低炭水化物食摂取期間の変化量に有意差があったが、LDLコレステロール、HDLコレステロールに摂取による変動や両試験食間の差異はなかった。体脂肪量は標準食摂取後に摂取前に比べて減少し、アディポネクチンは低炭水化物食摂取後に摂取前に比べて減少した。【結論】本研究で用いた低炭水化物食は1週間の摂取により健常人の中性脂肪値を減少させたが、糖質・脂質代謝に関する他の指標に影響をもたらすことはなく、これは脂質量が増えすぎないように配慮したためと考えられた。
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