2016 Fiscal Year Annual Research Report
A survey on sexual problems and its interventions in child welfare institutions
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26870566
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
石川 智 杏林大学, 医学部, 助教 (70580562)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 子ども福祉 / 児童養護施設 / 臨床心理学 / 性的問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、児童養護施設における性的問題の実態について多面的・実証的に検討していく事を目的としている。 協力可能な13施設に対し、性的問題の概要(発覚日時、問題の内容、発覚の経緯、行なった対応等)および当事者(加害/被害/加害被害どちらも関わる児童)の情報についての調査を実施した。対象施設において過去3年間に生じた性的問題は約60件で、うち約半数は事実の特定がなされたものであり、施設の実際に即した結果と考えられた。加害児童の年齢平均は11.4歳で被害児童の年齢平均は10.0歳であった。また、加害児童だけでなく、被害児童および被害でも加害でもある児童についての特徴も併せて調べたところ、いずれの当事者も共通して「自己評価が低く」「言語表現が苦手」であったが、「他児、職員への日常的な他児への暴言・暴力」、「衝動性高い」「支配性強い」は加害児童だけが高い傾向を示した。一方「従順で流されやすい」「排泄、排尿の問題」は被害児童および被害でも加害でもある児童に高く出ていた。 次に、以前に実施した調査結果との比較を試みたところ、違いが窺えた項目とそうでない項目に分かれた。当事者の年齢分布や性的問題の内容といった項目については以前の結果とそれほど異なっていなかったが、発覚の経緯は職員によって発見される比率が高くなり、加害発覚後実施された取り組みでは「性教育」がケースワーク的取り組みよりも早く登場するようになった。これらは、性的問題についての理解が以前より進み、問題が生じた後の対応がスピーディーに行えるようになってきたことを示していると思われた。 今後は本研究より規模を拡大した形で実施し、より全体的な傾向を把握する形で研究を展開していく。
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Research Products
(2 results)