2014 Fiscal Year Research-status Report
神経ペプチドPACAPによる中枢神経系と免疫系間のクロストーク
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26870587
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
徐 枝芳 昭和大学, 薬学部, ポストドクター (60646298)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PACAP / PAC1R / 骨髄造血幹前駆細胞 / 交感神経系 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014.4-2015.3まで申請者はPACAPとその受容体の骨髄における場の全容を明らかにし、PACAPの骨髄における造血制御機構を明らかにするため、次の三つの基礎研究を行った。1.骨髄におけるPACAP受容体の解剖学的全容(場)の解明:骨髄におけるPACAP特異的レセプター(PAC1R)の遺伝子発現が骨髄に認められることを見出した。マウスの骨髄塗抹切片を用いた免疫染色によりPAC1Rが骨髄造血細胞に認められ、PAC1R陽性細胞はCD34、CD117、Sca-1の造血幹前駆細胞マーカーと共存することを見出した。PAC1Rの発現は未熟な骨髄細胞や成熟した細胞では極めて低いことからPACAP- PAC1Rシグナルは造血過程に関与する可能性を見出した。2.骨髄におけるPACAPの発現細胞の解明:リガンドであるPACAPの発現は極めて低レベルであるため、PAC1Rの発現が確認されている脛骨骨髄内に逆行性神経トレーサー(Fluorogold)を注入した結果、腰椎神経節の一部が陽性反応であった。これら神経節を組織免疫染色解析したところ、Tyrosine Hydroxylase(交感神経マーカー)及びPACAPの陽性反応が確認された。3. PACAPによる造血能の作用様式の解明:マウスの骨髄造血幹前駆細胞の比率をフローサイトメトリーで解析した。その結果、野生型マウスに比べて、PACAP KOマウスでは骨髄造血幹前駆細胞の割合が低かった。これらの結果より、PACAPは交感神経系から骨髄に放出され、造血機構の制御に関与していると示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進展している。PACAP及びその受容体の骨髄における場の全容を明らかにし、PACAPの骨髄における造血機構の関与を示唆した。これらの結果は国内外学術会議に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
PACAPによる造血幹前駆細胞の作用様式の解明: マウスの骨髄造血幹前駆細胞(CD34+/Sca-1+)をセルソーターにより分離、又はヒト臍帯血からの造血幹前駆細胞を用いて、造血幹前駆細胞の増殖及び分化に対するPACAPの役割をフローサイトメトリー及びCFU-assayにより調べる。さらに、PAC1Rのアゴニスト、アンタゴニストを用いて、造血幹前駆細胞に与える影響を確認する。次に、PACAP又はPAC1Rのアゴニストをマウスの腹腔内に投与し、造血幹前駆細胞の増殖及び分化を調べる。最後に化学的交感神経切除のモデルマウス(野生、PACAP遺伝子欠損マウス)を作製し、骨髄、脾臓および血中の造血細胞の存在比率を調べる。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通り使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
様々なモデルマウスの作成
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] PACAP38 Suppresses Cortical Damage in Mice with Traumatic Brain Injury by Enhancing Antioxidant Activity2014
Author(s)
Kazuyuki Miyamoto, Tomomi Tsumuraya, Hirokazu Ohtaki, Kenji Dohi, Kazue Satoh, Zhifang Xu, Sachiko Tanaka, Norimitsu Murai, Jun Watanabe, Koichi Sugiyama, Tohru Aruga, Seiji Shioda
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Journal Title
Journal of Molecular Neuroscience
Volume: 54
Pages: 370-379
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Implantation of human mesenchymal stem/progenitor cells (hMSCs) from bone marrow suppresses spinal cord injury mediated by pituitary adenylate cyclase activating polypeptide (PACAP)2014
Author(s)
H OHTAKI, T TSUMURAYA, A SATO, Z XU, J WATANABE, M MATSUMOTO, N MURAI, H HASHIMOTO, Y HIRAIZUMI, T NAKAMACHI, S SHIODA
Organizer
Neuroscience 2014
Place of Presentation
Convention Center, Washington D.C.
Year and Date
2014-11-15 – 2014-11-19
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