2017 Fiscal Year Research-status Report
産後1か月間の助産師家庭訪問によるアウトリーチ型産後ケアプログラムの検証
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26870601
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
田村 知子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10352733)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 産後ケア / 家庭訪問 / アウトリーチ型ケア / 助産師訪問 / 産後家庭訪問 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は産後1か月以内の生活の場に支援者が出向く「アウトリーチ型」のケアを行い、その効果を検証するものである。1.産後ケアの実態調査・ニーズ調査、2.明らかになったニーズを基にした家庭訪問を行いその効果を検証する2部構成となっている。 平成28年度までは産後1年未満の母親594名に産後ケアのニーズ調査を実施した。結果、産後1年未満の母親たちの88%が産後の家庭訪問として助産師に訪問して欲しいということが明らかになり、授乳に関するケアや新生児の発育、発達の確認をしてほしいことがわかった。訪問回数は2回以上を希望したものは7割近くと産後家庭訪問のニーズが把握できた。 これらのことから平成29年度は助産師による産後家庭訪問を実施しその効果を母親と助産師の立場双方から質的、量的に検討した。妊娠期から産褥期にかけての精神面の経時変化を把握するためエジンバラ産後うつ自己評価表も用いた。対象は妊娠経過が安定している初産婦3名、経産婦2名の計5名とし、妊娠32週以降に担当助産師と研究者による面接を行い、産後に2回家庭訪問を実施した。産後ケアの実態調査・ニーズ調査から家庭訪問時のケア内容は①授乳に関するケア、②児の発育、発達の確認を全例に実施し、その他対象者が望むことを優先にケアを行いその効果を分析した。5例とも産後の助産師による家庭訪問の評価が高い結果が得られた。家庭訪問を行った助産師からは妊娠中からの関係性構築と2回という複数回の訪問に関し手ごたえを感じている結果であったため、さらに分析を進める。 平成29年度は国際学術学会に得られた研究成果を1題発表のほか論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に家庭訪問を行う助産師の募集と研究協力施設との調整に時間を要したため産後家庭訪問実施時期に影響した。しかし、その後の対象者の募集、データ収集は計画通り終えることができたため、分析と研究成果の公表を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者の募集、データ収集は計画通り終えることができたため、分析、研究成果の公表に関しては計画を綿密に立てながら進める。
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Causes of Carryover |
当初家庭訪問を予定していた平成28年度より1年遅れての実施となったため、謝金や家庭訪問に関連する費用が増えたためである。平成30年度は主に成果発表のための適正な使用を予定している。
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