2014 Fiscal Year Research-status Report
短時間正職員制度を利用する看護師のワーク・ライフ・バランス実現度の測定
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26870602
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小野田 舞 東京医科大学, 医学部, 講師 (10448201)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 文献検討 / 尺度作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
働く人々の仕事と生活の関係に関する先行研究において、仕事の満足度があがれば生活への満足度も向上するという相互作用(スピルオーバー)が存在し、仕事の満足度を上げるアプローチが生活面の満足度を向上し、その結果、仕事と生活の両方を充実させる可能性があることの示唆を得た。現在、働く人々の仕事と生活を調和させることの重要性が注目されており、ワーク・ライフ・バランスという用語が広く普及してきた。しかしワーク・ライフ・バランスは、職場における柔軟な勤務形態の導入など、企業側の実質的な制度づくりに重点が置かれているものが多く、必ずしも働く個人のライフスタイルやニーズに目を向けられていないことが明らかとなった。そこで本研究では、看護師のワーク・ライフ・バランスについて、看護師を取り巻く職場環境だけでなく、看護師の心身の健康や仕事への意欲など、仕事の側面から多角的に捉えることが重要であると位置づけ、それらの要因が実現した状態を「看護師のライフスタイルを支える仕事の実現」とした。そして、文献検討と看護師への面接調査の結果を統合し、看護師のライフスタイルを支える仕事の実現には「制度の整備」「支援的な職場風土」「自発的な調整」「時間の確保」「心健康」「自尊心の保持」の6つの構成概念があることを明らかにした。この6つの構成概念について質問項目を執筆し、看護学研究者や看護管理者、大学院生等による内容妥当性の検討を行い、48項目からなる尺度を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度内に看護師のワーク・ライフ・バランス実現度を測定する尺度を開発する予定であったが、ワーク・ライフ・バランスという用語が学術的に概念化されていないことや、看護師の労働環境改善においては狭義な捉え方であることなどが明らかになった。そのため、改めて尺度化すべき概念を明確にする作業を行ったため、尺度の完成には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実行予定であった尺度開発の続きを行う。質問項目を作成後、調査にて尺度の信頼性・妥当性を検証したのちに尺度を完成させる。信頼性・妥当性の確認が取れ次第、得られたデータについて短時間制職員制度利用者の状況について分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
尺度開発が遅れ、尺度の信頼性妥当性に関する調査の人件費が発生しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は尺度の信頼性妥当性の検証に関する大規模調査を実施する。
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Research Products
(1 results)