2014 Fiscal Year Research-status Report
カスパーゼ14発現増強を介した皮膚保湿改善機構の開発
Project/Area Number |
26870610
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
長原 礼宗 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (80385484)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | スフィンゴイド / カスパーゼ / 皮膚 / 保湿 / 角化細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では「カスパーゼ14発現増強を介した皮膚保湿改善機構の開発」と題して、カスパーゼ14発現増強を介して皮膚の保湿機能の衰えを予防および/または改善することを可能にすべく、まず、カスパーゼ14発現増強作用を有するスフィンゴイド塩基の特定を行った後、有意にカスパーゼ14発現増強を起こしたスフィンゴイド塩基を用いて、スフィンゴイド塩基のカスパーゼ14発現増強機構の解明を行うことで、スフィンゴイド塩基を介した皮膚保湿機能改善のしくみを明らかにすることを目指している。 初年度はカスパーゼ14発現増強作用を有するスフィンゴイド塩基の特定を試みた。角化細胞のモデルとして、ヒト角化細胞株HaCaTを用いた。まず、本研究はスフィンゴイド塩基としてセラミド、スフィンゴシン、スフィンガニン、フィトスフィンゴシンなどを用い、HaCaT細胞に作用させ、細胞傷害アッセイの一種であるMTT法にて細胞傷害性を有さない(生存率を低下させない)作用濃度を決定した。ついで、細胞傷害性を有さない濃度で各種スフィンゴイド塩基をHaCaT細胞に作用させた後、カスパーゼ14のmRNA発現、タンパク質の発現をリアルタイムRT-PCR法やウェスタンブロット法で解析した。この結果、今回用いたすべてのスフィンゴイド塩基をHaCaT細胞に作用させた際に、細胞に傷害を与えることなくカスパーゼ14のmRNA増強、タンパク質増強が引き起こされることが明らかになった。すなわち、初年度の重要な研究成果は種々のスフィンゴイド塩基にはカスパーゼ14の発現をmRNAレベルから増強させることが可能であることを明らかにしたことである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はほぼ計画通りに進んでおり、初年度は種々のスフィンゴイド塩基にカスパーゼ14の発現をmRNAレベルから増強させることを明らかにすることができた。現在はこの成果を学術論文化するためにカスパーゼ14の増強機構について解明を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に目的であったカスパーゼ14発現増強作用を有するスフィンゴイド塩基の特定を実現できたので次年度は用いた種々のスフィンゴイド塩基の中で一番細胞傷害性が低いスフィンゴイド塩基がどのようにカスパーゼ14発現増強を引き起こしているのか検討し、スフィンゴイド塩基によるカスパーゼ14発現向上作用機構を明らかにしたい。また、スフィンゴイド塩基を実験動物に塗布することで皮膚保湿能が上昇するかどうかを検討することで、実際にスフィンゴイド塩基が皮膚の保湿に関与するかどうかを明らかにしたい。
|