2014 Fiscal Year Research-status Report
母体血中RNAを用いたHLA遺伝子の動態解析~胎児バイオマーカー開発への展開
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26870624
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
林 昌子 日本医科大学, 医学部, 助教 (80421171)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 母体血中胎児RNA / HLA遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は母体血中の胎児由来のRNAをもとにした胎児ストレスの診断のために、本年度は母体血中胎児性分からのHLAの遺伝子発現解析の技術的確立を目指し、同意を得られた妊婦または非妊娠女性から血液を採取した。母体血中からtotalRNAを抽出、逆転写してcDNAを作成、TaqManアッセイプローブを用いてリアルタイムPCRを行った。絨毛膜羊膜炎や妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離などの胎盤関連疾患は重要な胎盤関連疾患と考えている。頻度として1%~5%の疾患の症例から可能な限り検体を収集している。当初RNA抽出とその定量の精度が低く、RNA抽出手技につき試行錯誤を重ね、安定したRNA抽出法を検討し、母体血に加えて胎盤を用いてHLAの遺伝子発現の定量を行っている。結果については評価段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAは不安定な物質であり採血から遠心分離、RNA抽出まで迅速な施行が求められる。臨床上、妊婦の同意を得た上で迅速な採血~RNA抽出が行える状況を得ることが困難であり、検討課題である。また絨毛膜羊膜炎や妊娠高血圧症候群症例等は病態の頻度が低く、検体収集に努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の母体血中胎児RNAのHLA遺伝子発現解析の技術的確立に加え、定期妊婦健康診査の各妊娠時期の採血を利用し、妊娠時期におけるHLA遺伝子の発現量の変化を明らかにする。計画推進の計画が遅れる場合には、「妊娠末期と産褥期のHLA発現解析」と、「組織化学的検討」に的を絞って研究を続ける予定である。
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Causes of Carryover |
必要かつ当該金額にて購入可能な項目がなく、次年度予算と合わせて使用したいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNAの発現につきTaqmanアッセイによる更なる検討が必要であり、また当初の予定通り、今後の課題である病理学的な検討にも物品を要する。今後の論文、学会等発表に向け計画を推進するために使用したい。
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