2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870633
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
御手洗 明佳 千葉大学, 運営基盤機構大学評価部門, 特任研究員 (00725260)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際バカロレア / 中等教育の質保証 / 組織運営 / グローバル化の中の教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際的に通用する大学資格として「グローバル・スタンダード」と称される国際バカロレア(以下、IBとする。)教育プログラムの高等教育接続に関わる教育効果と、それを支える教育システムを明らかにすることを目的にしている。 研究初年度であった本年度は、分析枠組みとして設定したインプット(IB機構の構造とその取組みに関する実態調査)、プロセス(教員養成)、アウトプット(IB受講生の学習成果)のうち、インプットにあたるIB機構の体制に着目した調査を実施した。 具体的には、IB機構のステークホルダーであるIB認定校・候補校、政府、教員へ対してどのようなサポート体制を構築しているのか、また、どのように連携し合い組織運営をおこなっているのかの実態調査である。この課題を解決するため、世界3か所設置されているグローバル・オフィスのうちアジア太平洋地域にあるIBAP(シンガポール)へ、研究協力者とともに訪問調査をおこなった。IBAPに所属する各担当スタッフへのヒアリングの結果、①IB認定校までの流れ、②教員研修のサポート体制、③各国へのIB教育プログラムの導入事例、について運営体制、評価基準、広報活動の観点から情報収集をおこなった。国際的な教育プログラムであるIBのシンガポールにおける導入事例にも着目し、IB認定校(2校)、日本人学校に訪問し、シンガポールに在籍している日本人の教育選択の視点から教員、生徒、保護者へのヒアリング調査を実施し、より包括的な調査をおこなった。 以上の調査で得た情報については、研究分担者との定期的な研究会によって分析、まとめている。さらに研究成果については、次年度である2015年度の日本教育学会において発表し、報告書にまとめる予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、初年度にイギリスのIB Assessment Centre(カリキュラム・評価部門)へ調査訪問する予定であった。しかし、本年度はスケジュール調整とグローバルセンターの担当スタッフとの調整の関係から、次年度に予定していたIBグローバルセンターへの調査訪問をおこなった。 この変更は、研究課題を達成する上で、大きな弊害はなく、さらに、予算に関する問題は、研究協力者らの個人調査との日程を摺合せることにより旅費を低く抑えることで対応する。今回のグローバルセンターへの訪問調査では、関係者からの紹介や訪問日のタイミングも重なり、当初意図していなかったシンガポールによるIB校等への訪問も実現したことは今後のアンケート調査での実施を進めるうえで成果であるといえる。よって、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究次年度である本年度は、以下の2点を予定している。 ①IB教育プログラムを作成し統括している機関「カリキュラム・評価部門(IB Assessment Centre)」へ調査訪問し、支援体制、さらに抱える諸問題について、先行研究の分析やIBAC関係者へヒアリングをおこなうこと。 ②IBディプロマ資格取得者へのアンケート調査(質問紙の作成、プレ調査、実施)をおこなう予定である。 さらに、昨年度の成果を積極的に学会発表や投稿論文として執筆する。
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Research Products
(3 results)