2014 Fiscal Year Research-status Report
消費者行動との関連でみた環境見える化指標の検討‐CFP制度の展開
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26870638
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
平湯 直子 武蔵野大学, 経済学部, 講師 (10590705)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境見える化指標 / 消費者行動 / CFP / 意識と行動 / 環境家計簿 / 低炭素社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「消費者行動との関連でみた環境見える化指標の検討‐CFP制度の展開」は、環境問題における意識と行動の不一致に関する既往モデルを参考に消費者アンケート調査(Web登録モニター調査)を設計・実施・集計し、調査結果より、消費者の属性別に、①消費者が実際に入手したい環境情報は何か、②認知(知識)から行動に至る過程の重要な規定要因となる「動機」に必要なものは何かを明らかにし、消費者行動との関連で『環境見える化指標』の検討を行うものである。これらを通して、カーボンフットプリント制度(CFP制度)の在り方を考え、また従来の環境家計簿にカーボンオフセット分を加味した新しい環境家計簿の作成に着手し、CFP制度の次なる活用方法の検討を行う。以上より、消費者による自主的な排出削減取り組み活動によって「低炭素社会」を実現する具体的な道筋を検討していくことを目的としている。研究初年度の平成26年度は、次年度にむけての分析サーベイ期間とし、次の点に着手した。 1、CFP制度の論点整理・課題の把握:従来よりCFP算定という側面からCFP制度の在り方を考えてきているが、改めてCFP制度の論点整理を行い、消費者の受容性という観点からみた同制度の不足点、事業者にとっての算定方法の精緻性と参加障壁、に関するサーベイ研究を行った。 2、環境問題に関する意識と行動に関する既往モデルの系譜に関するサーベイ:日本LCA学会第10回研究発表会を聴講し、「環境配慮に関する意識と行動」分野の報告から本分析モデルの検討に関する情報収集、「環境教育」分野の報告から環境アンケート調査の内容・設計・考察に関する情報の入手を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究初年度の目的は、1、CFP制度の論点整理および課題の把握、2、環境問題に関する意識と行動に関する既往モデルの系譜に関するサーベイ、3、事業者によるCFPの活用事例のサーベイの3点であった。1、については、日本LCA学会の研究発表会、学会誌を通して情報収集に行い、順調に着手できている。ただし、CFPを活用したカーボンオフセット制度の急速な進展がみられることから、カーボンオフセットの入念な論点整理が追加で必要と感じている。また、2、についても同学会研究発表会をメインに情報の入手に着手できたが、十分とは言えない。3、については、事業者の立場でのCFP活用方法を考えるために現在、すでに実施されているカルビー株式会社カルネコ(calneco)事業に着目し、環境貢献における企業の役割の事例に関する情報収集を行っている途中である。以上より、現在までの研究は当初の計画より、「やや遅れている」と自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度の平成26年度は次年度の研究に向けての分析サーベイ期間とした。2年度目の平成27年度は次の研究を予定している。 1.初年度分析サーベイの継続:初年度、CFP制度・カーボンオフセット・環境問題に関する意識と行動に関する既往モデルの系譜、事業者によるCFP活用事例、以上3点のサーベイに着手したが、改めて追加で情報収集を行い、分析モデル策定にむけて、情報のとりまとめ・報告を行う予定である。 2.分析モデルの策定と消費者アンケート調査の策定:初年度サーベイ、今年度1.を通して、分析モデルを設定し、アンケート調査の設計・実施・集計を行う。消費者が真に入手したい情報は何かを属性別に明らかにし、「知識」から「行動」に至る過程の重要な規定因となる「動機」に必要なものは何かを明らかにするため、分析モデルに基づいた調査票の設計を行う。 以上を確実に行い、最終年度に研究を展開していく予定である。
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Causes of Carryover |
学会参加(2015年3月)のため、平成26年度予算で旅費(70,000円)を申請していたが、平成27年度予算適用となったため、未使用となった。また、収集データ解析のためにPC計量ソフトの購入を予定していたが、文献情報での収集がメインであったため、必要な段階にまでは至らず、未購入となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費の使用計画(費目内訳)は次の通りである。 物品費:計量データ作業用のパソコン及びプリンターの関連消耗品、文房具類、書籍代、旅費:学会報告・参加(日本LCA学会)を予定している。また、CFP算定企業や業界、及び研究対象としている研究者へのヒアリングに伴う交通費も見込まれる、その他:研究遂行に必要な書籍・資料・データ等の複写代、研究会費用等を予定している。
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