2014 Fiscal Year Research-status Report
荷重動作における生体内三次元動態解析手法を用いた足部・足関節の運動解析
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26870640
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
深野 真子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (00634362)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 足関節 / キネマティクス / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、動作中の距腿関節・距骨下関節のキネマティクスを定量的に明らかにすること、およびそれらのキネマティクスが健常足と障害を有する足とでどのように異なるかについて検討する事である。2014年度は3年間の研究計画の初年度に当たるため、健常者を対象として実験を行い、研究全体の基礎となるデータの収集を行った。 【方法】17人(男性10人、女性7人)を対象とし、歩行動作中の足関節を対象としてエックス線透視連続撮影を行った。併せて足関節の3D-CTデータを取得した。得られたデータより、3D-2D model-image registration techniqueを使用し、脛骨・距骨・踵骨の相対的な位置関係を経時的に明らかにすることで、距腿関節および距骨下関節のキネマティクスを算出し、その性差を検討した。 【結果と考察】歩行中の距腿関節は、背屈および外旋位で踵接地し、矢状面上では立脚期の初期20-30%にかけて底屈した後に再び背屈した。前額面上では立脚期を通して明らかな動きは観察されなかった。水平面上では、立脚期のおおよそ前半で内旋し、立脚期の後半は外旋した。距腿関節は、底屈・内反および内旋位で踵接地し、立脚期の前半に背屈・外反および外旋方向の動きを呈し、立脚期後半には底屈・内反および内旋方向に動く傾向にあった。また、歩行中の距腿関節・距骨下関節は、男女で同様の動きを示した。しかしながら、距骨下関節の底背屈・内外反および距骨下関節の内外旋角度は男女で異なった。また、距腿関節の底背屈および距骨下関節の内外反・内外旋の角度変位量は男性よりも女性で有意に大きい値を示した。これらの性差は、骨形状やアライメントを含む男女の身体的特徴の差異によるものと予測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた実験はおおむね計画通りに終了している。また、一部2015年度に実施予定の実験の予備実験も前倒しで実施できたことより、研究計画に沿っておおむね順調に進行できているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は足関節不安定症を有する者を対象として実験を行う予定である。 また、データ解析上の課題点が見つかっているので、協力者の協力を仰いで解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2015年3月に国際学会に出席する予定であったが、参加を見送ったために旅費の使用額が少なかったため。また、消耗品類の購入を少なく済ませることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会への出席を予定している他、煩雑な解析プロセスを効率的に進めるための備品(高解像度モニタ・ワークステーション)等の購入を予定している。
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Research Products
(2 results)