2017 Fiscal Year Research-status Report
荷重動作における生体内三次元動態解析手法を用いた足部・足関節の運動解析
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26870640
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
深野 真子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (00634362)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 足関節 / キネマティクス / 内反捻挫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、動作中の距腿関節および距骨下関節のキネマティクスを定量的に明らかにすることおよびそれらのキネマティクスが健常者と障害を有する足とで異なるのかについて検討することである。2017年度は健常者および足関節捻挫を繰り返している者の比較を目的として実験を行った。 【方法】18人(健康な者10人、足関節捻挫患者8人)を対象とし、歩行中の足関節を対象としてエックス線透視連続撮影を行った。併せて3D-CTデータを取得した。得られたデータより、3D-2D model-mage registration法を使用し、脛骨・距骨・踵骨の相対的な位置関係を明らかにすることで、距腿関節および距骨下関節のキネマティクスを算出し、健康な者と足関節捻挫を繰り返している者とで比較した。 【結果と考察】足関節捻挫を繰り返している者は健康な者と比較して、立脚期初期に距腿関節において距骨の内旋が有意に大きかった。立脚期を通しての両関節の変位量は両者で統計的な差はなかった。 足関節捻挫を繰り返している者で立脚初期に距骨の内旋が大きくなることは、内反捻挫受傷時の前距腓靭帯の損傷による可能性が予測された。先行研究により、距骨の内旋が大きくなると距骨前内側の軟骨への負荷が大きくなること(Bischof et al. 2010)および10年以上前に足関節捻挫を経験した患者に距腿関節の前方内側の軟骨の磨耗が認められる(Harrington et al. 1979)と報告されていることから、歩行立脚期中の距骨内旋が変形性足関節症の発症と関連する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験はおおむね計画通りに実施できている。一部の実験で当初の予定よりも被験者数を増やしたために、データ処理の進行状況はやや遅れているものの、大幅な遅れとはならない見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は得られたデータをもとに多角的な検討を追加し、これまでの研究の総括をするとともに、学会や論文発表を重点的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に追加解析および学会発表を行う予定であり、その費用として支出する計画である。
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Research Products
(4 results)