2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトインタフェースを活用した人間の内部状態推定手法に関する研究
Project/Area Number |
26870659
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
板井 志郎 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (00398934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユーザーインターフェース / 感性情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究において,リズムコントローラにより操作するアバタを介して,人間同士が間合いを取り合う際に,相手と間合いを保つ場合と壊す場合では,異なるコントローラの操作方法を用いている可能性があることを明らかにしている.そこで,平成27年度は,人間のコントローラの操作方法の変化から間合いの生成に関する人間の意図を推定することが可能であるかどうかについて調べるため,人間のコントローラの操作方法の変化から人間の意図を先読みして動く間合い生成エージェントを開発し,人間との剣道対戦を行った.具体的には,人間のコントローラの操作方法を記録する定常運動モード,人間と一定の間合いを取り合う間合い運動モード,人間が間合いを壊そうする際に使用するコントローラの操作方法を使って接近した場合に後退する回避運動モード,人間が間合いを保とうする際に使用するコントローラの操作方法を使って接近した場合に前進して剣を振る攻撃運動モードの4つのモードを有する間合い生成エージェントを開発した.そして,このエージェントを用いて人間と剣道対戦実験を行った結果,エージェントの勝率は8割に達することが明らかになった.この際,間合い生成エージェントと対戦した人間は,「間合いを詰めようと思うのとほぼ同時に避けられた」,「うまく隙を突かれて負けた」とコメントしていた.これらの結果は,人間のコントローラの操作方法の変化から,間合いを保つ・壊すという人間の意図を先読みできる可能性があることを示すものである.以上より,コントローラ操作とアバタ運動の関係に多義性があるリズムコントローラ(ソフトインタフェース)を活用し,通常は潜在化されているユーザの内部状態を,インタフェース操作として外部に表現させることで,ユーザの内部状態(意図)の推定を実現する手がかりを得た.
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