2015 Fiscal Year Research-status Report
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26870670
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森脇 健介 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (10514862)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医薬経済学 / 骨粗鬆症 / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
①複数の治療法間の相対的な効果および費用対効果に関する検討:骨粗鬆症領域のネットワークメタアナリシスと医療経済評価に関する文献レビューを行い、公表されているエビデンスの要約を行った。レビューの結果、複数のネットワークメタアナリシスの報告が確認されたが、統合解析の方法や解析に含まれる試験や実施時期により結果が異なるため、これらを医療経済評価に利用する場合、細心の注意を要することが確認された。費用対効果に関するレビューの成果は、検診・一次予防・二次予防に分けて整理され骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版や関連学会のシンポジウム等において公表された。 ②分析モデルの妥当性確認:最新の日本の疫学データをもとに分析モデルのアップデートを行い、妥当性の検討を行った。モデルで計算される骨折確率値とWHOの骨折リスク推計ツール(FRAX)による骨折確率値との比較を行い、モデルが妥当であることを確認した。 ③検診・二次骨折予防の費用対効果:骨粗鬆症の疾患マネジメントにおいては、1次骨折予防のみならず、検診や二次骨折予防も含め包括的に検討する必要がある。そのためこれらの費用対効果についても解析を行った。成果は原著論文として投稿中である。 ④レセプトデータ解析:レセプトデータの抽出条件・解析方法に関する再検討を行った。データの代表性に課題があると考えられ、層別解析など追加的に必要な解析に関する検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レセプトデータの解析方法の再検討を行ったため、抽出および解析が当初予定よりやや遅れている。利用を検討しているデータベースは健康保険組合のレセプトをベースとするため、被扶養者を除き高齢者のデータが含まれない。このため、骨粗鬆症患者のデータ数が少ないことや解析結果を日本の骨粗鬆症患者集団に一般化することに課題があると考えられた。したがって、当初の解析計画を変更し、層別解析など追加的な解析を含めた再検討を行っている。また、骨折治療費などのモデルに必要なパラメータ値の推定だけでなく、処方パターンの変化など副次的な解析を行うべく、必要データと解析方法の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
レセプトデータ分析を行い、モデルに必要なパラメータの推定を行う。また、処方パターンの変化など副次的なレセプト分析を行う。レセプト分析による費用データとネットワークメタアナリシスの効果データをモデルに組み込み、多様な治療条件のもとで複数の治療の費用対効果を検討し、費用対効果の観点から推奨される治療選択肢を提示する。なお、複数のネットワークメタアナリシスのデータを用い、感度分析を行う。一連の研究を通して得られた成果を公表し、今後の研究課題について整理を行う。
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Causes of Carryover |
購入するレセプトデータの特性上、本テーマでの研究に用いるために追加的な解析が必要と判断し、解析方法の再検討を行ったため、抽出および解析が当初予定より遅延した。このためレセプトデータの購入時期を次年度に延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析計画が確定し次第、繰り越した予算を利用してレセプトデータの購入および解析を行う予定である。
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