2014 Fiscal Year Research-status Report
モチベーションを高める承認(ほめる)保健指導技術教育モデルの開発
Project/Area Number |
26870675
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 承認 / ほめ言葉 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
看護職者を対象とした承認(以下、ほめる)技術向上を促す教育方法の検討を目的とした教材開発とワークショップの検討を行なった。健康課題を持つ者の支援においては、承認とモチベーションを高めるためのコミュニケーションを欠くことはできない。ほめる技術の可視化と教育方法の確立は、意義深い課題であると言えるが、現在の看護教育の枠組みの中では、学術的な検討がなされていない。 そこで、今年度は対象を承認する技術を高めるための方法論のひとつとして「ほめるための語彙」を増すことに焦点を当てた教育方法を検討した。看護職者(保健師・助産師・看護師)、看護教員、看護学生らを対象としてカードを用いたゲームを開発し、ワークショップを企画した。その結果、参加者が用いる、ほめるための語彙が増し、さらに「表現や内容がより対象に即して具体的となる」、「承認や肯定による心理的効果を実感できる」等のポジティブな効果を認めた。市内小中学校の学校保健委員会においてもカードを用いたワークショップを行い評価を得た。教育現場において児童生徒の自尊心の低さに起因する諸問題行動への対策は重要な課題であり、学校生活の中で継続して活用可能な児童・生徒向け教育パッケージへの改良が期待されている。 また、海外(台湾)にてテストプレイを行い、カードの基本概念とした Skromme,Arnold Bによるセブンアビリティを日本で活用する場合の文化的背景やメンタリティの差異に必要な配慮についての示唆を得た。この結果を踏まえ、次年度はカード本体のデザイン・文言、ゲーム性の向上、ワークショップ運営の3点からさらに改良が必要な点が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はカードの開発が主な課題である。開発とともに実際ワークショップの開催と評価を行い、次年度に向け改善点の整理が行なえたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
教材、教材の使い方、運営の3点を中心にワークショップを洗練する。また、さらに創造的で多様性に富んだ語彙、リアクションを開発できる教材にするため、承認・称賛スキルの巧者のコミュニケーションの観察・分析によりモデルを構築する。その上で、「双方向」かつ「ノンバーバル」なコミュニケーション能力を高められる仕組みをワークに取り入れる。
|
Causes of Carryover |
カードをパイロット版の扱いとして自前で印刷し、業者への印刷製本を依頼しなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の改善点を反映した版を業者へ印刷依頼する。
|