2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the modern translation and issues of arid land agriculture : developing green house in Ili Kazakh Autonomous Prefecture
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26870676
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
古澤 文 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (50634812)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乾燥地農業 / 新疆ウイグル自治区 / 施設栽培 / 温室 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では中国の新疆ウイグル自治区北西部に位置するイリ・カザフ自治州の都市近郊農村を対象として、当地域の施設栽培の現状を分析し、その課題を明らかにすることを目的としている。今年度は異なる年次に撮影された高解像度衛星画像(2005年Quick BirdⅡ、2008年World ViewⅠ、2011年World ViewⅡ)の目視判読を行い、当地域における土地利用の変化について分析を行った。 高解像度衛星画像では、2005年から2008年の間に温室が密集して建設され、2008年から2011年の間に野菜の洗浄、包装、検品施設や保冷庫の建設が確認された。これらの関連設備は温室密集地域のほぼ中央を南北方向に縦断する道路沿いの各温室からアクセスしやすい場所に位置している。温室が密集し、関連設備が建設される状況は政府推奨の施設栽培の基地化と一致する。また同画像からは鉄道路線の敷設が確認された。2005年に建設の端緒が見られ、2008年には建設途中、2011年には完成された状態であった。この鉄道は新疆ウイグル自治区の首府ウルムチから国境の町ホルゴスを経由し、カザフスタンのアルマトゥまでつながり、中国が掲げる一帯一路構想におけるインフラ整備の一環として建設された。この鉄道建設の時期と栽培基地・規模化の時期が重なっていることから、当地域の施設栽培は貿易振興という大きな流れの中で、輸出野菜の栽培基地として発展していったものであるということが、土地利用の変化から理解できた。
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