2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870680
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
石村 和博 中京大学, 体育学研究科, 助手 (60723707)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 移動式フォースプレート / 測定精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、曲走路疾走における加速局面の特徴を明らかにする研究を行う予定であったが、予想以上にフォースプレートの作成と測定精度の検証に時間を要したため、計画を変更せざるを得なかった。以下に初年度の実施状況を記する。 走者のブロッククリアランス時の力を測定するために、フォースプレート[移動式FP]を特注し製作する必要があったが、仕様について何度も業者と打合せを行う必要が生じ、完成予定が大幅に遅れた。また特注品のため、その測定精度の検証を慎重に行った。 完成した移動式FPの測定精度を以下の方法により検証した。プラットフォームに固定したフォースプレート[固定式FP]の上に、移動式FPを設置し、被検者にその上から片足ジャンプを行わせた。その際の床反力データを1000Hzで取得した。取得した床反力データの垂直成分について移動式FPと固定式FPの一致度を検証した。検証には①計測した全試技の加算平均と標準偏差の時系列グラフの重ね合わせ、②散布図、単相関および単回帰式、③Bland-Altmanプロットを用いた。その結果、特注した2枚の内1枚で床反力垂直成分が約10%程度小さく計測されてしまうことがわかった。 原因を調査した結果、移動式FPを取り付けるスターティングブロックのフットプレートの接地面が水平ではなく、測定結果に強く影響していることが疑われた。そこでフットプレートを水平加工することにした。加工終了後、同様の検証を行い、移動式FPと固定式FPの測定値の一致度が向上したことが認められた(相関係数、加工前:0.9930; 加工後:0.9982)。 この精度検証により、ブロッククリアランス時の床反力を精度良く評価することが可能であることが示された。計画は変更せざるを得なかったが、研究課題遂行のために必要な変更であったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フォースプレートの完成が大幅に遅れ、また精度の検証に時間が掛かっってしまったため、初年度に予定していた実験の予備実験までしか行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた実験を簡略化するために、実際の競技会の映像を撮影し、曲走路疾走時の運動学的左右差が出現する地点を明らかにする予定である。 スタート後50m地点では既に接地時間や滞空時間に左右差が出現していることから、スタートからの接地時間と滞空時間をハイスピードカメラから算出することでいつ左右差が出現するか明らかにする。これにより、2回に分けて実験を行う予定を1回で済ますことが出来るため、研究の遅れを取り戻すことが可能である。
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Causes of Carryover |
研究計画変更により、購入予定であった消耗品を購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、主に消耗品の購入とアルバイトへの謝金支払いが主な支出となる。 また研究発表のための旅費などに使用する予定である。
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