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2015 Fiscal Year Research-status Report

成体神経幹細胞の恒常性維持機構とその認知機能形成における役割の解明

Research Project

Project/Area Number 26870683
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

大内 靖夫  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (70553858)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords成体神経化細胞
Outline of Annual Research Achievements

当初の研究計画に従い、Nestin-CreERT2, Gt(ROSA)26Sortml(EYFP), Dgcr8(+/-)統合失調症モデルマウスを作成し、Tamoxifenの投与により、成体神経幹細胞のEYFPによる可視化を進めたが、昨年度に引き続き成体幹細胞をEYFPで可視化することはできなかった。今年度、さらに、Nestin-CreERT2, Gt(ROSA)26Sortml(Brainbow)Dgcr8(+/-)統合失調症モデルマウスの交配を完了し、同様に蛍光タンパク質の発現の解析を行ったが、非常に微弱、かつ少数の細胞しか蛍光標識されないことが明らかとなった。一方、我々の作成したDgcr8ヘテロ欠損型統合失調症モデルマウスでは、エピジェネティックな制御を受けることでよく知られているIgf2の発現が神経幹細胞で低下することから、DNAのメチル化の観点からIgf2の発現低下の分子機構の解析を試みた。Dgcr8(+/-)およびDgcr8(+/+)マウスの海馬組織から得られたgDNA に対して,Agilent mouse CpG Island microarrayを用いてゲノムワイドなCpG island のDNA メチル化の解析を行った。その結果,Dgcr8(+/-)マウス海馬では,Dgcr8(+/+)マウス海馬と比較して,数多くの遺伝子でCpG island におけるDNA メチル化状態に変動が起きていることが明らかとなった。特に神経幹細胞のマーカとなるSox2遺伝子のプロモーター領域が顕著にメチル化されていることが確認された。また興味深いことにDgcr8(+/-)マウスで発現低下が認められたIgf2, Htr2c, Ace遺伝子のプロモーター領域では2倍以上の強度でメチル化が亢進しており、これらの遺伝子の発現低下に寄与している可能性が示唆された。またBisulfiteシークエンス法を用いた解析からもIgf2のエンハンサー領域でメチル化の異常が確認されたことから、Dgcr8ヘテロ欠損型統合失調症モデルマウス海馬におけるIgf2の発現低下はDNAのメチル化異常に起因する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、既報の論文から、Nestin-CreERT2, Gt(ROSA)26Sortml(EYFP)マウスとDgcr8(+/-)マウスの交配により、成体神経幹細胞を可視化できると考えて実験を行ってきたが、本システムは可視化の効率が非常に悪いことが明らかとなった。また一昨年の6月に東京大学医科学研究所に異動し、研究分野が大きくことなる研究室に異動したこともあり、研究室で本研究課題の問題に対して新たなマウスの購入および交配などのトラブルシューティングとなる実験の実施が許されなかった。また今年度、1年10ヶ月の任期の最終年度であったことから、自身の職の更新につながる他の実験の研究の実施に重点を置かざるを得なかった。

Strategy for Future Research Activity

Dgcr8(+/-)およびDgcr8(+/+)マウスの海馬組織 に対して行ったAgilent mouse CpG Island microarrayを用いたゲノムワイドなCpG island のDNA メチル化の解析から、Dgcr8(+/-)統合失調症モデルマウス海馬では数多くの遺伝子でCpG island におけるDNAメチル化状態に変動が起きていることが明らかとなった。今後、これらのDNAメチル化の変動が認められた遺伝子とマイクロアレイで変動が認められた遺伝子群の関係性の解析を進め、エピジェネティックな制御をうける新たな統合失調症関連遺伝子の探索を行う。また今年度、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術にてknockoutマウス、細胞を高効率で作成できる系を立ち上げたことから、得られた遺伝子に対して、この系を用いてknockoutマウスを作成する。

Causes of Carryover

研究計画の遅れと変更に伴い、当初、本年度計画していたマイクロアレイでの解析を中断したため、その解析費用が余った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度、現在解析を進めているエピゲノム解析データをもとに、新たな統合失調症関連遺伝子を抽出し、CRISPR/Cas9システムを用いてknockoutマウスを作成する予定であり、その作成費用に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 統合失調症の病態におけるmiRNAの生合成と成体海馬のニューロン新生の役割2015

    • Author(s)
      大内 靖夫
    • Organizer
      厚生労働省ヒト幹細胞情報化推進事(SKIP) セミナー
    • Place of Presentation
      慶応義塾大学医学部、東京都新宿区
    • Year and Date
      2015-12-11
    • Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

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