2014 Fiscal Year Research-status Report
製品の意匠特徴と顧客の感性評価の対応付けに基づく高精度製品意匠設計法
Project/Area Number |
26870693
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 正和 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40409652)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 感性工学 / 意匠設計支援法 / ラフ集合理論 / 自己組織化写像 / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
技術の成熟化に伴い,近年の製品開発では,性能や機能性での差別化は困難になってきており,意匠性や快適性などの人間の感性に評価を依存する品質による差別化が求められている.そこで,本研究では人間の感性に評価を依存する品質の中から製品意匠に注目し,顧客が最も「欲しい」と感じる製品意匠を導出するために,製品の意匠特徴と顧客の感性評価の対応付けに基づく高精度意匠設計支援法の検討を行う. 今年度は,(1)ラフ集合理論に基づく方法と,(2)自己組織化写像に基づく方法について検討を行った.(1)の方法では,顧客が様々な製品に対して実施した「その製品が欲しい/どちらでもない」の評価とSD法に基づく感性評価の結果,および各製品が備える意匠特徴の対応関係をラフ集合理論と遺伝的プログラミングを用いて分析し,顧客が最も「欲しい」と感じる意匠特徴の組み合わせを遺伝的アルゴリズムを用いて探索する.(2)の方法では,感性評価の階層モデルを採用し,上位感性ワードを中位感性ワードで感性評価した結果および様々な製品を中位感性ワードで評価した結果を自己組織化写像と人工ニューラルネットワークを用いて分析することで,上位感性ワードと中位感性ワードおよび製品の意匠特徴の対応関係を明らかにし,遺伝的アルゴリズムを用いて顧客が最も「欲しい」と感じる意匠特徴の組み合わせを探索する.また,大学生を対象とした実験を行い,これらの手法の有効性を検証した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であったラフ集合理論に基づく方法の検討については,検討不十分な部分もあるが概ね計画通りに進めることができた.また,それに加えて,自己組織化写像に基づく新しい方法の検討を行うことができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度検討を行った二つの方法(ラフ集合理論に基づく方法と自己組織化写像に基づく方法)について,更なる検討を行う.また,これらの方法は一人の顧客を対象としているが,実際の製品開発では,複数の顧客(製品の対象となる顧客層)を対象としなければならない.そこで,顧客層の満足度を最大化するための方法を検討し,上記手法に組み込む.
|
Causes of Carryover |
以下の2点により次年度使用額が発生した.(1)当初申請ではコンピュータの購入を検討していたが,研究室所有のコンピュータに余剰があり,本研究専用のコンピュータを購入する必要がなくなった.(2)当初申請では2回の国内出張を計画していたが,スケジュールの都合により1回取り止めとなった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はコンピュータの追加購入,実験のための大型モニタやビデオカメラの購入,海外での学会発表,各種ソフトウェアの年間使用料など,多くの使用予定がある.
|