2016 Fiscal Year Research-status Report
製品の意匠特徴と顧客の感性評価の対応付けに基づく高精度製品意匠設計法
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26870693
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 正和 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40409652)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感性工学 / 意匠設計 / ラフ集合理論 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
技術の成熟化に伴い,近年の製品開発では,性能や機能性での差別化は困難になってきており,意匠性や快適性などの人間の感性に評価を依存する品質による差別化が求められている.そこで,本研究では人間の感性に評価を依存する品質の中から製品意匠に注目し,顧客が最も「欲しい」と感じる製品意匠を導出するために,製品の意匠特徴と顧客の感性評価の対応付けに基づく高精度意匠設計支援法の検討を行う. 今年度は,意匠設計支援法使用時の顧客の負担を軽減するために,(1)既存アンケートデータの流用による異種製品の意匠設計支援法の構築と,(2)生体情報の測定に基づく感性評価法の基礎的検討を行った.(1)の研究は,顧客に既存製品の感性評価を行ってもらい,その結果を分析することで顧客が「欲しい」と感じる製品意匠を創成するという点は従来と同じであるが,顧客が感性評価を行う既存製品と新たに設計を行う製品の種類が異なるという点が新しい(例えば,靴と服に対する感性評価データを用いて鞄の意匠設計を行う).これにより,十分な感性評価データを蓄積することができれば,それ以降は蓄積された感性評価データを用いて意匠設計が可能になるため,意匠設計の度に顧客が感性評価を行う必要がなくなり,顧客の負担が軽減できる.(2)の研究は,アンケート用紙を用いて既存製品の感性評価を行うのではなく,既存製品を見た時の顧客の生体情報を測定し,その測定値から評価値を算出する点が新しい.これにより,既存製品を見るだけで感性評価が完了するため,顧客の負担が軽減できる.なお,生体情報としては,NIRSを用いて測定できる脳機能(局所ヘモグロビン濃度)を採用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存アンケートデータの流用による異種製品の意匠設計支援法に関しては,手法を構築したのちに,本学学生を対象とした実験を行い,手法の有効性を検証した. 生体情報の測定に基づく感性評価法に関しては,基礎的検討として,NIRSを用いて被験者が製品写真を見た時の脳機能を測定し,測定データの分析を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
生体情報の測定に基づく感性評価法に関しては,今年度実施した実験およびその検討結果を基に,感性評価法の確立を目指す. また,次年度は本テーマの最終年度のため,これまでの成果をプロシーディングや論文にまとめ,世間に広く公表する.
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Causes of Carryover |
今年度は計算機の購入,国内外での学会発表,NIRS脳計測装置を用いた実験のための出張など多くの支出があったが,予算の効率的な使用により,次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表および実験のための出張,実験器具の購入を計画している.
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Research Products
(3 results)