2015 Fiscal Year Research-status Report
パーソナリティ特性による小中学生の問題行動,メンタルヘルス,学校適応の予測可能性
Project/Area Number |
26870694
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
谷 伊織 東海学園大学, 人文学部, 准教授 (10568497)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パーソナリティ特性 / Big Five / 不適応行動 / メンタルヘルス / 抑うつ / 攻撃性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目に当たる平成27年度は、前年度に引き続きパーソナリティ特性による問題行動および適応・不適応行動の予測に関する研究について国内外の文献を収集し、レビューを行った。想定より多くの研究を収集し、前年度に行った国内のパーソナリティ研究の動向についてのレビューを行った一部については、教育心理学年俸の人格部門にて公刊された。さらに、27年度は海外の文献についても整理・分類を行った。 これらのレビューを参考にしつつ、単一市内における全小中学生5000名程度を対象とした質問紙調査による性格特性を測定したデータの分析を行い、パーソナリティ特性による問題行動や適応指標との関連を相関分析および階層的重回帰分析による検討を行った。具体的には、世界的に広く用いられているパーソナリティモデルであるBig Fiveに基づいた性格特性の測定モデルと、メンタルヘルスの指標である抑うつ、さらには問題行動の指標としての攻撃性、適応指標としてのSDQとの関連を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画における文献レビューについては、想定よりも多かったものの、平成26年度については国内文献、平成27年度に国外の文献の整理・分類を行い、概ね達成できたものと考えられる。尺度の作成についても前年度に終えることができ、27年度にはさらに世代や性別ごとの分析によって交差妥当性の検討を行うことができた。 さらに、メンタルヘルスの指標である抑うつ、さらには問題行動の指標としての攻撃性、適応指標としてのSDQとの関連を用談的に検討することができたため、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画については、概ね順調に進展している。文献にレビューについては遅れもあったが、 おおよそ2年目の年度において達成できたと考えられる。データについては既に分析を行い、 いくつかの研究成果を発表することができたため、今後はさらに多変量解析の手法を展開させて 発展的な分析を行う予定である。また、研究期間を通してさらなる学会発表や論文発表を随時行う計画を立てている。
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Causes of Carryover |
データの統計解析に関するソフトとして、SPSSの購入を検討していたが、近年はさらに発展的な多変量解析を行うためのソフトとしてMplusがよく用いられている。また、フリーの統計ソフトウェアとしてのRの利用環境も整いつつある。そのため、まずはRによって基礎的な分析を行ってきており、次年度はmplusによって多変量解析を行うために、購入予定である。SPSSの購入を変更したために差額が生じたと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のとおり、次年度においては多変量解析のために発展的な統計解析ソフトウェアであるmplusの購入を予定している。また、これまでの成果をさらに広めると同時に、最新のパーソナリティ心理学研究を収集するために、積極的に学会および論文発表を行う計画を立てている。
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