2014 Fiscal Year Research-status Report
筋肉・脂肪組織由来の新規生理活性物質からみた心疾患患者に対する運動療法の効果
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26870702
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
沼尾 成晴 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90454074)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイオカイン / アディポカイン / 心疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動が生理的機能改善をもたらすメカニズムの一つとして、筋肉組織や脂肪組織から分泌される生理活性物質(マイオカイン、アディポカイン)の働きが考えられている。しかしながら、心疾患患者における運動療法の生理的機能改善にマイオカインやアディポカインが関連しているかはこれまでの研究で明らかになっていない。その点を明らかにするために、まず、本年度は心疾患の既往を有する者を対象にマイオカインおよびアディポカインと生理的機能(心臓・血管機能)、冠危険因子との関連性を横断的に明らかにすることを目的とした。 本年度は、同意の得られた被験者に対して、血液検査、心臓・血管機能検査、および身体活動量調査を実施した。血液検査(一般生化学項目)、心臓・血管機能検査(心臓超音波検査、頸動脈超音波検査、血圧脈波検査)、および身体活動量調査(加速度計)は、おおむね解析は終了している。しかしながら、血液検査の一部の項目(マイオカインおよびアディポカイン)については、分析を完了することができておらず、分析を進めているところである。また、同時に、データの信頼性を高めるため、被験者数を増加すべく、被験者のリクルートも進めている。被験者数(データ数)を増やし、マイオカインおよびアディポカインに関する血液分析がすべて完了した時点で、マイオカインおよびアディポカインと生理的機能(心臓・血管機能)、冠危険因子との関連性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検査日程について被験者との調整が難航し、当初の予定よりも検査が遅れたことに加え、精度と経費の面から血液分析(マイオカインおよびアディポカイン)を、全ての被験者の検査終了後に一括で実施することから、平成26年度の課題の検討に必要な一部のデータが期間中に取得できなかった。したがって、現在までの達成度は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の課題について、さらに被験者を増やした上で、マイオカインおよびアディポカインに関する血液分析を完了させる。その後、統計解析を進め、マイオカインおよびアディポカインと生理的機能(心臓・血管機能)、冠危険因子との関連性を明らかにする予定である。 さらに、当初の予定通り、これまでに本研究に参加した心疾患の既往のある中高齢者を対象に運動療法を実施し、約一年後に血液検査、心臓・血管機能検査、および身体活動量調査を行い、縦断的な変化を追跡する予定である。
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Causes of Carryover |
血液分析費用として使用する予定であったが、当初よりも検査計画が遅れ、血液分析の一部を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度からの繰越分と平成27年度の予算分をあわせて、主に血液分析のための費用に充てる予定である。
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