2015 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞におけるホルモン療法及びアポトーシス耐性獲得とイオンチャネル活性・発現制御
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26870703
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
丹羽 里実 京都薬科大学, 薬学部, 研究員 (90725532)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | KCa2.2 / イオンチャネル / 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌のイオンチャネル発現・活性調節による「去勢抵抗性獲得」メカニズムを解明するため、リアルタイムPCR解析、Western blot解析により、AR (Androgen receptor)が発現しているヒト前立腺癌細胞株LNCaPとVCaPにおいて、KCa2.2が高発現していることを明らかにした。ヒト前立腺癌組織サンプルにおいても、正常前立腺サンプルと比較し、KCa2.2 mRNAは高かった。一方、ARが発現していないヒト前立腺癌細胞株PC-3やDU145では、KCa2.2の発現はほとんど認められなかった。さらに、LNCaPにおいて、KCa2.2の阻害薬UCL1684やKCa2.2のノックダウンにより、LNCaPの細胞増殖が抑制された。一方、PC-3やDU145では、UCL1684やKCa2.2ノックダウンにより、細胞増殖は抑制されなかった。加えて、Ca2+イメージング解析により、LNCaPにおいてUCL1684投与でSOCE(store-operated Ca2+ entry)が有意に抑制された。以上の結果より、KCa2.2はARを介した細胞増殖に機能的に関与している可能性がある。さらに、LNCaPにおいて、KCa2.2ノックダウンではAR mRNAはほとんど影響を受けなかったが、ARノックダウンによりKCa2.2 mRNA発現は有意に低下した。よって、KCa2.2はARの下流に位置し、ARによる転写調節を受けることが明らかになった。加えて、アンドロゲン除去血清を用いた培地に切り替えた短期間(2日間)の去勢環境で、KCa2.2の遺伝子発現、タンパク発現共に減少した。これに対し、上記の培地で4回継代した比較的長期間(14日間)の去勢環境では、KCa2.2 mRNAの発現が増加した。本研究により、KCa2.2が長期去勢における去勢抵抗性獲得に関与する可能性を明らかにした。
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[Journal Article] Downregulation of the Ca2+-activated K+ channel KCa3.1 by histone deacetylase inhibition in human breast cancer cells.2016
Author(s)
Ohya S, Kanatsuka S, Hatano N, Kito H, Matsui A, Fujimoto M, Matsuba S, Niwa S, Suzuki T, Zhan P, Muraki K.
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Journal Title
Pharmacology Research & Perspectives
Volume: 4(2)
Pages: e00228
Peer Reviewed
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