2015 Fiscal Year Research-status Report
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26870708
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平塚 順良 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (40632807)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 散曲 / 『香山宝巻』 / 妙善故事 / 国際研究者交流 / 沈璟『曲海青冰』 / 王驥徳『方諸館楽府』 / 『怡春錦曲』 / 『纏頭百練』 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ベトナムに伝来する漢籍を調査し、それを中国古典歌謡文学研究と結びつけることを目的とする。 上記の目的を達成するため、2015年度は主にふたつの方面から研究をおこなった。ひとつは中国古典歌謡文学、とくに明代散曲の研究であり、またもうひとつはベトナム漢籍の研究である。 まず、ひとつめの散曲研究については、歌謡文学の流行が詞から散曲へと移り変わるありさまを、〔いん〕括という行為に着目して研究を進めた。そしてその研究の成果を、論文としてまとめ「明代の〔いん〕括とその周辺」を発表した。 ふたつめのベトナム漢籍の研究については、2015年8月23日から8月31日までの日程で、ベトナムのハノイで漢籍の調査をおこなった。この時に調査をおこなった資料に基づいて、2016年2月20日に中国古典小説研究会において「妙善故事の変遷と景興三十三年重刊本『香山宝巻』について」というテーマで口頭発表をおこなった。 またベトナム国家大学ハノイ校附属外国語大学からNguyen Dai Co Viet(阮大瞿越)講師を招聘し、2015年11月27日に、立命館大学衣笠キャンパスにおいて、「フィールドワーク報告 中国の少数民族「京族」の暮らし」というテーマで講演会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、ベトナム漢籍の研究と中国古典歌謡文学の研究とは、それぞれ別個に十分な研究の進展がある。2015年度は、ベトナム漢籍の研究について、「妙善故事の変遷と景興三十三年重刊本『香山宝巻』について」という口頭発表をおこなった。また中国古典歌謡文学の研究については、論文「明代の〔いん〕括とその周辺」を発表した。 しかし現段階では、これら二方面の研究が十分に交差融合していない。研究を継続していき、双方の研究がさらに深化していく中で、この二領域の研究がどこかで交差しダイナミックな融合を遂げることが今後期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、ふたつの方面から研究を進めていく計画である。ひとつはベトナム漢籍の研究であり、もうひとつは中国古典歌謡文学、特に散曲の研究である。 ベトナム漢籍の研究には、実地における調査が不可欠であるので、2016年8月にベトナムのハノイにおいて、漢籍の調査をおこなう計画である。 二方面の研究にそれぞれ進展が見られるので、今後はこのふたつの研究の交差融合を目指し、研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2015年度内に27,788円分の書籍を購入したが、その時点で2015年度の予算残額が9,106円しかなかった。そのため2016年度の予算と合わせて執行することにした。実質的には2015年度内に使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度内にすでに書籍を購入済みであり、その購入代金の一部に当てる。
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Research Products
(4 results)