2016 Fiscal Year Annual Research Report
To establish and apply a high-precision recognition technology for seriously deteriorated oracle bone inscriptions
Project/Area Number |
26870713
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
孟 林 立命館大学, 理工学部, 助教 (60615938)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 甲骨文字認識 / パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ノイズ・断裂が多く、大きさ・傾きが不均一などの特徴がある劣化の激しい甲骨文字の認識の課題に取り組み、高精度な甲骨文字の認識を実現し、文字の起源や変化の解明、未解読の資料の解読に貢献をすることである。まず、ノイズに対して、ガウシアンフィルタと2 値化を用いて小さいノイズを除去し、そして、ラベリングにより大きなノイズを除去する。それぞれ、大津法と微分ヒストグラム法を用いて、自動的に閾値を決める。また、大きさ・傾きの不均一の問題に対して、アフィン変換を用いて文字の正規化を行う。そして、細線化、ハフ変換を用いて甲骨文字のスケルトンを抽出する。認識について、従来手法といくつか提案手法を用いて、認識を行った。 (1)テンプレートマッチングによる甲骨文字の認識:認識しようとする甲骨文字と甲骨文字データベースの甲骨文字テンプレートとの類似度を計算し、甲骨文字に認識を行う。 (2)線分の距離による甲骨文字の認識: 甲骨文字が鋭いものにより刻まれたため、直線が多い特徴を利用した手法である。ハフ変換により線分に対して、依存マトリクスなどの手法を用いて文字を通過する主要な線分(主線分)を抽出し、テンプレートと認識対象のハフ空間での主線分の最短距離を計算し、甲骨文字を認識する。 (3)特徴量を用いた甲骨文字の認識:甲骨文字は現在漢字と同じように筆画により構成されるため、甲骨文字の特徴量を用いて、認識できると考えられる。 提案手法(2)は一番効果的、92%の認識率を実現できた。また、これらの手法の組み合わせにより、更なる高精度な認識が実現できると考えられる。さらに、深層学習を用いた甲骨文字認識も挑戦し、それらの認識率が目標である95%に近づいているもの分かった。最後に、ノイズ除去から認識まで、基礎知識から提案手法まで、三年間の研究成果をまとめて、「画像処理を用いた甲骨文字認識」を本として出版した。
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