2014 Fiscal Year Research-status Report
高速波長可変光源を利用した実時間分光計測と分光画像表示システムの構築
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26870725
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
西 省吾 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (70411478)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分光反射率 / 波長可変光源 / 分光画像 / 分光分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は高速度カメラと高速波長可変光源を用いた分光画像計測と,それらを同期させ,実時間での分光画像撮影システムの構築を目的とした。平成26年度配分額で高速度カメラの購入を色々と検討したが,所望の機器を購入するには予算不足であったため,次年度に購入することとした。それゆえ,本年度は,現有のモノクロカメラと高速波長可変光源を用いて,分光画像計測のための光源分布の最適化を行った。 カメラ出力は,撮影対象の表面分光反射率と対象が存在する空間の照明光の分光分布,ならびにカメラの分光感度特性の積を可視光帯域で総和をとることでモデル化されることが一般的である。本研究では,撮影対象の表面分光反射率を高精度で取得することを目的の一つとしている。カメラ感度はセンサ固有の特性であり,可変化することは困難である。そこで,照明光の分光分布とカメラ感度との積が相反するような照明光の分光分布を合成できれば,所望のカメラ出力が得られると考えた。 そのために,本研究では,高速可変波長光源を照明光として撮影対象に照射した。計測のための予備実験として,高速可変波長光源を用いて現有のモノクロカメラの分光感度を計測した。その結果からカメラの分光感度と相反するような照明光の分光分布を幾つか検討した。複数の分光分布候補を検討した理由は,単純に400nmから700nmの可視光帯域を5nm間隔でサンプリングすると61回の計測回数が要求され,実時間性やSN比を考慮すると,所望の結果が得られないことが予想されたためである。現在は,表面分光反射率の基底関数を考慮して作成された照明光分光分布を中心に最適な分光分布を評価しており,意義のある成果が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の研究進捗状況は,当初予定していた高速度カメラの購入を断念したために,照明光の分光分布の最適化を中心に研究を進めた。本研究を遂行する上で想定よりも重要な成果が得られつつあるが,当初の予定を考慮すると,やや遅れていると評価せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究推進方策として,まず,早い時期に高速度カメラを購入し,前年度の研究で得られた最適な分光分布の生成のためのノウハウを適用し,高速度カメラと高速波長可変光源とを組み合わせた実時間分光撮影システムを構築する。 次に当初の計画に沿って,分光画像表示システムの構築を行う。そのためにDMDモジュールが必要となる。DMDモジュールと高速波長可変光源との同期とシステムの性能評価を行い,本研究テーマの総括を行う方針である。
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Causes of Carryover |
高速度カメラを購入予定であったが,平成26年度配分額では所望の機器の購入が困難であり,十分な研究成果をあげることができないと判断し,購入を断念したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の配分額と合算し,所望の高速度カメラを購入する予定である。
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