2016 Fiscal Year Annual Research Report
The study on the realization process of the Edo shogunate laws
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26870726
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小倉 宗 関西大学, 文学部, 准教授 (40602107)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幕府 / 法令 / 裁判 / 江戸 / 上方 / 藩 / 奉行 / 代官 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、江戸幕府の法令がどのように実現されたのかを実証的に解明し、法令の側面から幕府支配の特質や幕藩体制の構造を把握しようとするものである。また、幕府の法令に関する未刊行の重要史料を発掘・紹介することも目的としている。今年度の成果は次の通りである。 (1)2016年11月、東京大学で開催された史学会第114回大会の近世史部会シンポジウム「江戸幕府の地域支配」において「幕府上方支配機構の転換」と題する報告を行った。法令の制定・伝達や境界紛争(論所)の処理などに注目し、17世紀後半~18世紀前半に幕府の上方支配機構が転換する過程とその構造・特質について考察した。 (2)2016年12月、『関西大学文学論集』第66巻第3号に「「明和亥年 御評儀書抜」(一)―明和期の京都町奉行所に関する史料の紹介と分析―」と題する論文(史料紹介)を公表した。幕府の京都町奉行所における法令(や裁判)の実現過程に関する重要な史料として、篠山藩(青山家)古文書に収められる「明和亥年 御評儀書抜」を全面的に翻刻し、解説・分析を加えた。 (3)2016年10月、大阪商業大学商業史博物館の企画展図録『江戸廻米』に「江戸時代後半の上方における幕府代官と幕領」と題する論文を執筆するとともに、翌11月、同博物館のシンポジウム「江戸時代のコメと納税」において報告し、役所と幕領の配置、年貢の徴収や法令の伝達などを中心に、上方の幕領における幕府代官の支配について論じた。 (4)本研究の成果を社会に還元する活動として、2016年4月に和歌山市立博物館で「将軍徳川吉宗の改革政治」、10月に関西大学で「御触書からみる江戸時代の大坂」、12月に茨木市立文化財資料館で「江戸時代の茨木市域における政治と社会―法令と裁判を中心に―」と題する講演を行った。いずれも法令(や裁判)を切り口に、江戸時代の政治と社会のあり方について解説した。
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Research Products
(3 results)