2014 Fiscal Year Research-status Report
感情投影表情描画法によるアセスメントツールの開発と適応
Project/Area Number |
26870737
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
七山 知佳(田中知佳) 摂南大学, 看護学部, 助教 (60636116)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 感情 / 表情 / 描画 / アセスメントツール / 開発 / 成人期 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は,過去に感情を表情として表現し評価基準による感情の把握が可能な感情投影表情描画法を,大学生を対象に開発した.本研究では成人期を対象に本法を検討し,一般化を進めることを目的とした. まずは,プレ調査として,本研究で実施予定していた質問紙調査が成人期を対象に実施可能であるかどうか検討するため,成人期10名を対象に質問紙回答を依頼し,その後質問紙に関するインタビューを行った.質問紙の内容は,多面的感情状態尺度,スピリチュアリティ評定尺度[SRS-AB],表情描画シートである.インタビューからは紙面の体裁を整える必要性を指摘されたもののレイアウトの訂正のみであり,有効回答率や回答所要時間からも,本調査が実施可能であると判断できる結果であった. 本調査として,成人期325名を対象に質問紙調査を実施し,有効回答の得られた調査用紙について分析を進めた.既存尺度(多面的感情状態尺度、SRS-AB)の各下位項目に関して因子分析を行い,各下位項目を集約しグループ化をすることができた.さらに,各下位項目の平均および標準偏差を算出し得点範囲を決定後,得点範囲内に含まれる顔パーツ(眉・目・口)のサイン(形)を選出し,因子分析から抽出した感情因子ごとの各顔パーツのサインを各顔パーツ単位で確定することができた. 本分析から確定した各顔パーツのサインは,大学生を対象に行った調査で得たサインと形態が異なるため,成人期に特有のサインを特定できたといえる.この点が,本年度の研究成果である.今後は,感情投影表情描画法と既存尺度の結果の一致状況を確認し,成人期を対象とした本法の妥当性を検討していく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査のデータ入力および分析に時間を要すると予測されたため,プレ研究が終わり次第,速やかに平成27年度に予定の本調査に取り組むこととしていた.プレ調査は平成26年8月に終了し,9月以降は本調査の実施を進めている.平成27年2月中に本調査の質問紙回収を終了している.現時点で,本調査のデータ入力が終了し分析にかかっているため,おおむね予定通り順調に伸展しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
成人期を対象に表情描画シートを実施した際に,的確な評価をするために確定した各顔パーツのサインが使用可能かどうかについて明らかにしていく.そのために,本法と既存尺度の結果の一致状況を確認していく必要がある. また,質問紙において表情描画シートの回答と同時に表情のタイトルの回答を求めた.タイトルについても分析を進め,表情描画の評価時に補助的な使用が可能かどうかを検討していく. 上記の検討が終了次第,論文投稿に向けての準備を進めていく予定である.
|
Causes of Carryover |
現在,データの分析途中であり,予定していた分析に必要な分析ソフトをまだ購入していないため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記分析ソフトを購入する予定である。
|
Research Products
(1 results)