2016 Fiscal Year Research-status Report
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26870745
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
上田 佳世 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (90637042)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 院内助産 / 低リスク出産 / 医療の質指標開発 / 医療の質指標の妥当性 / 医療の質指標の信頼性 / 医療改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の院内助産での低リスク出産を対象に開発した医療の質指標(Quality Indicator: QI)の実用可能性を検証することが目的である。これまでに、診療ガイドラインの改訂に伴い、Core指標を改訂した。また、同時に施設の特徴や医療スタッフの配置、患者体験を含むLocal指標も開発した。 過去の診療データを用いた後方視的調査として、Core指標とLocal指標の信頼性の検証をした結果、高い信頼性を得た。また、各指標の基準値が推定され、実測した際に精度を高めるために測定方法の詳細な改善点が明らかとなった。 次に、各指標の測定結果をもとに医療の改善方法、管理や運営について医療者へインタビュー調査を実施し、現在分析中である。インタビュー調査を通して、医療者が医療の質や指標の測定について関心が高く主体的で、かつ産婦の意志を尊重した姿勢がみられている。したがって、臨床現場の医療改善を目的とした実用化に向けての準備が必要となった。 加えて、医療の質指標の普及に向けて、国内外の関係組織・学会や臨床現場でも科学的根拠に基づく指標開発や改訂を促進することも重要である。そのため、合意形成法に関する専門家パネルの構築の実態を調べるために文献レビューを行った。その結果、マンパワーや時間的・経済的コストができるだけ減らせるデルファイ法が多く用いられていることがわかったが、開発運営に関する課題も明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Core指標とLocal指標に関する後方視的測定、インタビュー調査も終了し分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果を公表し、臨床現場での実用化に向けて、前方視調査としてQI測定の負担を考慮したデータベースの構築と管理運営を計画・試行中である。
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Causes of Carryover |
診療ガイドラインや医療の質指標(Quality Indicator: QI)の活用は、医療者だけでなく非医療者である患者の志向や価値観が反映することが海外でも薦められている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
そのため、臨床現場でQI測定の負担を考慮したデータベースの構築と管理を追加して試行している。それらを利用して、低リスク出産に関するQI実用化に関する調査を非医療者も含むよう対象者を拡大し、前向き調査を次年度に実施予定である。
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Research Products
(1 results)