関節拘縮発生の予防を目的とした皮膚に対する伸張運動の効果に関する研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26870747
• Research Institution: Osaka Yukioka College of Health Science
• Principal Investigator: 田坂 厚志 大阪行岡医療大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90710260)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 運動療法 / 皮膚 / 加齢

Outline of Annual Research Achievements

関節拘縮は，日常生活上での動作に影響を及ぼすため予防することが重要である。しかし，ギプス等で関節固定を余儀なくされた場合，関節拘縮の発生を予防するための関節運動を行なうことが困難となる。唯一皮膚は，ギプスを開窓することで関節運動を伴わず治療として伸張運動を行うことが出来る。しかし，皮膚に対する伸張運動は，皮膚の伸張性を維持および改善するとした報告は見当たらず，早急に明らかにすべき課題である。
本年度は，皮膚に対して伸張運動を行なうことで皮膚の柔軟性を維持することができるかどうかを明らかにすることを目的に検証を行なった。対象は雄のWistar系ラットとした。実験期間は1週間とした。ラットは無作為に対照群と固定群および伸張運動群の3群に振り分けた。固定群と伸張運動群はラットの右足関節を石膏で固定し，伸張運動群はさらに1日1回固定を除去し足関節の皮膚に対して伸張運動を行なった。全てのラットは，実験最終日に皮膚の柔軟性を測定した。皮膚の柔軟性は，引張り試験機（島津製作所社製）を用い皮膚に対して引張り試験を実施し，長さ-張力曲線から求めた。皮膚の柔軟性に関して，伸張運動群は固定群と比較して有意差を認めた。このことから皮膚に対する伸張運動は，皮膚の柔軟性を維持することが明らかとなった。
次年度は，本年度の結果を参考にして，高齢者を想定した高齢のラットを用い，皮膚に対する伸張運動が皮膚の柔軟性に及ぼす影響を明らかにする予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年度計画
若齢ラットを対象とした皮膚に対する伸張運動の効果の検証

Strategy for Future Research Activity

平成27年度計画
高齢ラットを対象とした皮膚に対する伸張運動の効果の検証

Causes of Carryover

発表予定の国際学会へ参加するための費用を次年度に繰越したため。
次年度に購入する実験動物の金額が予定よりも高価であったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

実験動物の購入費、学会参加費及び交通費等、実験施設までの交通費、論文の校正及び掲載費等、書籍の購入費