2015 Fiscal Year Research-status Report
子どもの性的加害行動に対するファーストインターベンションプログラムの開発
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26870762
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
高岸 幸弘 関西国際大学, 人間科学部, 准教授 (00635170)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インタビュー調査解析 / 児童養護施設 / 児童自立支援施設 / 情緒障害児短期治療施設 / 性加害 / 悉皆アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に実施した、児童福祉施設(児童養護施設・児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設)でのインタビューデータを修正版グラウンデッドセオリーで解析し、その結果を日本子ども虐待防止学会にて発表した。インタビューの内容は、勤務している児童福祉施設で子ども間の性的加害問題が生じたときの対応について、職員の感情面を中心にどのような対応を行っているか明らかにしようとしたものである。主要な結果として、性的加害問題が施設で生じた場合、施設職員は共通して、自分の感情をチームの力を援用しながらコントロールし事態の対応にあたることが明かとなった。分析結果と明らかになった点は、現在日本子ども虐待防止学会の学会誌「子どもの虐待とネグレクト」に投稿中である。 次に、日本に設置されているすべての児童養護施設・児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設にアンケート調査を実施した。このアンケートについては現在、データ入力作業中である。 インタビュー調査の際に現場に介入する機会が得られ、子どもたちのグループワークを行った。その結果は関西国際大学紀要論文に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査の解析結果は論文化し投稿した。現在査読中である。インタビュー解析の解釈と並行して児童福祉施設に対する悉皆アンケート調査を実施したが、当初の想定を上回る回答が得られ、現在は入力作業を行っている。入力作業が終了し次第多変量解析を中心とした統計処理を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査は実施済みであり、現在行っているデータ入力作業が終了し次第、多変量解析を中心とした統計処理を行う予定である。解析から本研究の最終目標であるプログラム作成の中心的要素となる測定尺度を明らかにする。また、自由記述のデータについてはデータマイニング手法を用いて質的な解析を行い、日本子ども虐待防止学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
児童福祉施設(児童養護施設・児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設)における悉皆アンケート調査を実施したが、回答が想定したよりも多く得られ、入力作業時間が予定よりも多くかかっている。そのため、学会発表や論文作成のための経費が未執行となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケート調査のデータ入力が終了次第速やかに解析と学会発表準備に取り掛かる予定である。その際、学会発表の経費と、論文作成および投稿に経費が生じるため次年度予算の執行を行う予定である。
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