2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870771
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 助教 (60634194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 月経周期 / 登山 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性登山者の熱中症を予防するため、月経周期に応じた水分補給方法に関する知見を得ることを目的とし、次の2点について検討する。①卵胞期と黄体期の登山時の発汗量及び脱水状態を比較し、月経周期ごとの登山に必要な水分量を数値により標準化する。②卵胞期及び黄体期において口渇感に依存した水分補給方法が適切であるかを確認する。 2014年度は、正常月経周期を有する女性8名を対象にフィールド調査に行った。卵胞期と黄体期の両条件において、登山中の発汗量、飲水量および登山前後の尿比重、尿pH を比較した。黄体期において、登山後の尿比重が高値を示す傾向にあった。これまでの研究成果と本研究の結果から、黄体期には発汗量に対する水分補給率が低く、脱水症状に陥りやすい可能性が考えられた。発汗量は、月経周期の違いだけでなく、運動習慣の有無や暑熱馴化などにも影響を受ける。このため、2015年度は、対象者数を増やし、運動習慣の有無や年齢など細分化し検討を行っていく。加えて、人工気象室内でのシミュレーション実験を行い、フィールド調査の結果と併せて評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、基礎体温と排卵検査薬の結果から月経周期を確認し測定日の設定を行っている。しかし、月経周期のずれなどにより測定日の変更や天候による調査の延期が多くあり、データの収集および解析が当初の予定に比べ少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
人工気象室とトレッドミルを用いたシミュレーション実験を行い、以下の2点について検討する。①飲水量を統一し、黄体期と卵胞期の発汗量および尿中成分を比較する。②卵胞期と黄体期の両条件において、自由飲水を行った際の発汗量、発汗量に対する飲水補給率と口渇感との関連性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初、2014年度に20名の対象者の測定を予定していたが、天候や土砂災害などによる大幅な延期があり8名の測定となった。このため、12名分の交通費、謝金、人件費などの支出を2015年度に計上する。また、シミュレーション実験のプロトコール作成が当初の予定より遅れたため、シミュレーション実験に必要な機材の購入が遅れ、2015年度に計上する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シミュレーション実験に必要な機材の購入とデータを取り込むためのパソコンを購入する。
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