2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870771
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 月経周期 / 登山 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性登山者の熱中症を予防するため、月経周期に応じた水分補給方法のガイドライン作成のための基礎的研究を行った。 2015年度は、トレッドミルを用いた登山シミュレーション調査を行った。対象者は、正常月経を有する女性10名とした。このうち基礎体温および排卵検査薬で月経周期を確認できた7名について検討した。対象者は、卵胞期および黄体期に、傾斜15%、速度2㎞/時で歩行を行った。担架重量は、体重の約5%で調節した。歩行15分ごとに5分間の休息を行い、45分間の歩行を行った。水分補給は、登山前および休息時に自由飲水を行った。 歩行中の心拍数は、両条件間において有意な差がなく、いずれも100~120拍/分で推移した。発汗量は、卵胞期が381±93g,黄体期が388±129gであり、黄体期が卵胞期に比較し有意に高く(p < 0.05)、2014年度のフィールド調査と同様の結果であった。黄体期の尿比重は、登山前に比較し登山後に有意に低下した(p < 0.05)。120拍/分以下および発汗量が500g以下の登山活動であれば、両条件とも口渇感に依存した水分補給方法で熱中症に陥る危険性は少ないと考えられた。2016年度は、環境および負荷を変更したシミュレーション調査を行い、負荷条件ごとの水分補給方法について検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
女性登山者の水分補給方法のガイドライン作成のためには、環境条件を統一したシミュレーション実験と、環境を含めたフィールド調査を併せて評価することが不可欠である。今年度は、登山シミュレーション調査を行い、昨年度までに行ったフィールド調査と併せて評価することで、ガイドライン作成の方向性が明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査では、発汗量は環境条件や登山時間に大きく影響した。一方、環境条件を一定にしたシミュレーション調査においては、月経周期による発汗量の違いが明確にみられた。これらのことから、2016年度は、シミュレーション調査の条件を変更し、環境条件を含めた水分補給方法のガイドライン作成のための基礎的研究を行う。
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Causes of Carryover |
対象者の月経周期のずれ等により、2015年に計画していた測定の一部を2016年度4月~5月に行った。このため、尿検査費用が、2016年度の計上となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象者の尿検査費用として計上する。
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