2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ICT Curriculum of the Primary School Physical Education by Accelerating Sensor of the Portable Information Terminal
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26870780
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
田村 孝洋 中村学園大学, 教育学部, 助教 (00441725)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ICT / 陸上運動 / 体育授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度[平成28年度]の研究目標は、スマートフォンに組み込んだ走運動測定用アプリケーションを体育授業にて試用し、学習者の走運動パフォーマンスの変化についてICT導入の効果を検証することであった。 そこで、体育授業[陸上運動]を受講した女子大学生98名を対象にICT使用の有無によって統制群43名と実験群55名を設定して50m走の授業を実施した。授業回数は各群とも全4回とし第1回,第4回の授業には50m走測定を行い、ICT使用は第2回、第3回の授業とした。各群の学習前と学習後のタイムを比較するため、学習前の50m走タイムに関してはt検定を用いて群間比較を行った。各群のタイム変化に関しては時間と群を要因とする二元配置分散分析を用いて有意差検定を行った。 各群の学習前の50m走タイムについて統制群9.09±0.50秒、実験群9.22±0.58秒であり統計上の有意差はなかった。学習後のタイムは統制群8.94±0.48秒、実験群8.99±0.57秒であり、両群ともに学習前よりタイムを短縮していた。これら時間と群の二要因には交互作用は認められず統制群と実験群の変化パターンは同様であった。また、学習前後のタイム変化の比率について統制群は、向上型69.7% [30名]、維持型23.3% [10名]、低下型7.0% [3名]、 実験群は、向上型72.7% [40名]、維持型10.9% [6名]、低下型16.4% [9名] であったがカイ二乗検定での有意差はなかった。 以上の結果よりICT導入授業の優位性を見出すことはできなかった。ただし、向上型のタイムに着目すると、統制群の9.10±0.52秒 → 8.86±0.48秒 [-0.24秒] に対して実験群が9.30±0.56秒 → 8.94±0.55秒 [-0.36秒] と相対的にタイムを短縮しておりICT活用による学習の有効性を示唆した。
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