2014 Fiscal Year Research-status Report
越境汚染大気と都市大気の混合過程解明のためのリモートセンシング観測手法の高度化
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26870784
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高島 久洋 福岡大学, 理学部, 講師 (20469620)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 越境大気汚染 / 分光観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジアの経済成長にともない、国境を越えた大気汚染が深刻化している。しかし大気組成の観測が不足しているために、越境大気汚染の影響評価は十分になされていない。本研究では、リモートセンシング観測手法である地上からの MAX-DOAS 法による対流圏エアロゾル・ガス成分の立体観測を高精度化するため、直接観測により分光法 (DOAS法) のアルゴリズムを最適化する。最適化したアルゴリズムをMAX-DOAS法へ適用し、越境大気を日本最西端で観測できる長崎県福江島と福岡都市域で対流圏下層の鉛直分布の観測を通して、越境汚染大気と日本の都市大気の混合過程を明らかにし、越境大気汚染の定量的な影響評価に貢献する。
直接観測により分光法 (DOAS法) のアルゴリズムを高精度化するため、室内での実験装置の設計・検討をおこない、分光器および光源の温調機構の制作・試験等を行った。一部の部品購入が遅れたために装置の組み立て作業および試験観測には遅れが生じている一方で、今後の実験をスムーズに実施するために、既存の計測器を用いて、新規計測器用のアルゴリズム開発を行った。現在福岡で実施している地上からの MAX-DOAS 法による対流圏エアロゾル・ガス成分の立体観測について、有機物質 (ホルムアルデヒド、亜硝酸) の試験的な導出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置部品の設計・検討、分光器および光源の温調機構の制作等を行ったが、一部の部品の購入が遅れており、予定していた試験観測の実施には至っていない。一方で2年目以降に想定しているMAX-DOAS 法による大気微量成分の導出を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に予定していた装置部品を可能な限り早く準備し、試験観測を実施する。
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Causes of Carryover |
観測装置の設計等に時間を要し、一部の部品購入がまだ済んでいないため使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要部品の購入を可能な限り早く行い、実験装置の組み立てを行う。
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Research Products
(2 results)