2014 Fiscal Year Research-status Report
運転中に視機能に及ぼす影響に関する研究~新しい安全指標~
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26870788
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 竜朗 産業医科大学, 医学部, 講師 (80389460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 焦点調節応答反応 / レフラクトメーター / 自動車運転 / 眼精疲労 / バックミラー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自動車運転時に使用するスピードメータやナビゲーションディスプレイ、バックミラーなどの計器やツール使用中の眼の焦点調節応答反応を計測し、眼生理学的観点から考える眼精疲労や視認性低下を最小限にする安全確認ツールの安全な配置やデザインについて提言することを目的としている。 本年度は、当教室で以前使用していた赤外線オプトメータをより俊敏に精度よく屈折値を測定できるように機械を改良した。既にボランティア被験者4人にパイロットテストを行った。結果、これまでは片眼だけの屈折値を0.08秒間隔でしか測定できなかったが、改良後は両眼同時かつ0.04秒間隔で測定が可能となった。つまり、人間の眼の焦点調節の変化を以前より処理速度を4倍にかつ左右同時に捉えられるようになったことになり、今年度の大きな目標であった機械のバージョンアップを達成した。 さらに、赤外線のみを通し可視光線を反射するダイクロイックミラー越しに、運転時安全確認ツールを視認できる装置(実験系)を作成した。この実験系を用いて、まずは安全確認ツールの一つとしてバックミラーを用意し、ボランティア被験者4人のこれら視認時の焦点調節応答反応をパイロットテストとして測定した。この結果、バックミラー視認中の1分間以上、屈折値の変化を安定的に測定することが可能であった。 この実験装置の完成は次年度から本格的に行う被験者を用いた本格的なデータ収集に欠かせない実験系の確立という意味で有意義な結果といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安全確認用ツール使用時の焦点調節応答反応を以前より精度よく計測が可能になるよう当初の今年度目標であった機械の改良を確立し、実験系の確立まで達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降では、パイロットテストで行った実験をベースとして、被験者データを増やし、統計学的分析が行えるデータを収集する。また、ツールや条件を変更して測定することにより、法則性を見いだすことを目標とする。 課題として、パイロットテストで分かったことは、データ量が以前より4倍に増えているため、ノイズを処理するのに以前よりも4倍以上時間がかかってしまうということである。この対応策としては、明らかなノイズはコンピュータ上でフィルタープログラムを作成して処理時間の短縮を図ることとしている。
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Causes of Carryover |
初年度予算に算出した人件費・謝金が、パイロットテストの被験者をボランティアで行った分、今年度は使用しなかった。次年度予定している本実験では、ボランティア被験者は本学関係者であるため、使用できないため、この差額は次年度の人件費・謝金分に使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の本実験で次年度の予算と合わせて被験者謝に使用する予定である。被験者謝金予定額40万円(20名×4回)。
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