2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of visual performance in the driving - New safety indicator -
Project/Area Number |
26870788
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 竜朗 産業医科大学, 医学部, 講師 (80389460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 焦点調節応答 / レフラクトメーター / 自動車運転 / バックミラー / 眼精疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は自動車運転時に、安全確認ツールを視認時の眼の焦点調節応答反応を検証し、眼生理学的観点から考える眼精疲労や視認性低下を最小限にする条件について提言することを目的とした。 安全確認ツールとして運転時にバックミラーとして汎用されている凸面鏡での観察時の焦点調節応答を測定した結果、反射像は同じ距離の平面鏡の反射像よりも小さいため日常生活における経験上、遠くにあると感じ、意識的に遠くに焦点調節しようとするにもかかわらず、実際の凸面鏡の反射像の結像点はより近方(曲率半径以内)にあり、そこへ不随意に焦点調節してしまうという不一致、距離の誤認が発生していた。これによりぼやけてみえる原因である調節動揺を大きくしていることが分かった。調節動揺が持続することは、慢性的な眼精疲労を生じることになり、視機能に悪影響を及ぼしていることになる。さらに本研究では、人間の眼の調節反応には、予想される物体の位置に焦点調節を行おうとする推測調節反応システムと、物体をはっきり見ようとする不随意調節システムが働いていることも確かめられたことになる。 また運転中無限遠の前方視から曲率半径1000mmの凸面バックミラーを見た時、焦点調節を行うのに平面鏡よりも2倍の時間がかかることも分かった(平均1.1秒 n=7)。さらに、凸面ミラーと眼まで距離が近く、曲率半径が小さいと調節動揺が大きくなることも判明した(ミラーから眼まで0.40m以下、曲率半径1000mm以下で有意に上昇あり)。 すなわち、バックミラー使用時に発生する眼精疲労や視認性低下を最小限にするためには、視認範囲は狭いが平面鏡を使用するべきであり、どうしても凸面バックミラーを使用する場合は、眼からミラーまでの距離を40cm以上遠ざけ、凸面鏡の曲率半径をなるべく大きいものを使用することが推奨される。
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Research Products
(4 results)