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2014 Fiscal Year Research-status Report

トルコにおける考古遺跡の遺産化と観光開発に関する社会人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 26870789
Research InstitutionFukuoka Jo Gakuin University

Principal Investigator

田中 英資  福岡女学院大学, 人文学部, 准教授 (00610073)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords文化遺産 / トルコ / 観光開発 / 保存・修復 / 発掘 / 文化人類学
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度の調査は、大きく3つの段階に分けられる。4月から7月にかけては、今後の調査の準備期間とみなして、これまでの調査で得られたデータと国内での文献調査の結果を整理した。
その結果を踏まえつつ、現地関係者とスケジュール調整の上、8月11日から9月4日にかけてトルコに渡航し、現地調査を行った。この現地調査では、パターラ、キビュラ、ダスクィリオンの3つの発掘調査現場を訪問し、発掘調査の状況の参与観察を行ったほか、それぞれの遺跡の発掘調査の経緯と出土した遺跡の遺産化の過程、及び遺跡保護をめぐる問題についての現地の関係者の認識について聞き取りを行った。なお、当初の研究計画ではミラ遺跡を挙げていたが、こちらは発掘調査が中止されて関係者との調整がつかなかったため、ダスクィリオン遺跡での調査に変更した。
9月から1月にかけては、8月に実施した現地調査で得られたデータの分析を進め、その結果をまとめた論稿を執筆し、勤務校の紀要に掲載した。2月17日から3月4日かけては、再度トルコに渡航し、アンタルヤ、パターラ、イスタンブル、アンカラにて現地調査を実施した。調査を行う遺跡で発掘を行っている考古学者のほか、トルコにおける文化遺産をめぐる問題に詳しいジャーナリスト、雑誌編集者にも面会し、聞き取りを行うことができた。また、平成27年度以降の調査の準備として、調査先の遺跡などを古代の道を歩きながらめぐるトレッキング・ツアーの振興を進めてきたNGOを訪問し、今後の調査協力について承諾を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年8月と平成27年2月に行った2回の現地調査を通して、現地の関係者とのコンタクトも増え、今後研究課題を推進していくために必要な情報を得やすい環境が整いつつある。特に、発掘調査に関わる現地の考古学者だけでなく、遺跡周辺に暮らす地域住民や、発掘調査のために雇用された人々とも良好な関係を築くことができつつあり、今後の研究をスムーズに進めるうえで意義があったと考える。
一方で、トルコにおける遺跡の発掘調査は、政府からの許可にかかっており、発掘許可が急に取り消されることもありえる。当初の研究計画にあったミラ遺跡の場合は発掘許可が取り消されたために、現地関係者との調整がつかず、26年度は調査することが難しくなった。そのため、調査地をダスクィリオン遺跡に変更して対応した。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は、26年度の調査をふまえつつ、トルコ地中海地方における地域住民の遺跡に対するとらえ方の調査に重点を置く。7月までは昨年度収集した文献資料の分析を行うほか、8月に4週間の予定で実施する現地調査の準備を進める。8月の現地調査では、ミラ、パターラ、キビュラを中心に聞き取り調査や参与観察を行う予定である。これら三か所の訪問に加え、アンタルヤにあるスーハ・クラチ地中海文化研究所にて文献資料の調査も行う予定である。また、10月に再度トルコに1週間渡航し、地中海地域で盛んになってきている古代の道をたどるトレッキング・ツアーに実際に参加し、トレッキングに参加する人々やトレッキング・ルートを企画するNGOの関係者に聞き取りを行うことを検討しており、8月の調査の際にも現地の関係者にコンタクトを取り、予定の調整を行う。
以上の調査と並行して、昨年度からの調査結果に関する学会発表や、論文化にも力を入れる。

Causes of Carryover

物品費についても、購入した物品(一眼レフカメラ)が当初の見積りより安価に購入できたことや、昨年度2回実施した現地調査の際に現地から資料を別送する必要がなくなったため、その他として計上する金額が大きく下がったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

収集した文献資料の電子化を行う機具(Scansnap)の購入や、その保存のための外付けハードディスクなど、物品の購入に充てる。また、昨年来、円安の傾向が強くなっており、研究計画の申請時点よりも現地調査時の旅費が上昇している。必要に応じて、円安による値上がり分に充てることも検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] 「協働」を通した文化遺産の生成 : トルコにおける二つの発掘現場を事例に2015

    • Author(s)
      田中英資
    • Journal Title

      福岡女学院大学紀要. 人文学部編

      Volume: 25 Pages: 79-105

    • Open Access / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2016-06-01  

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