2015 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の体力・運動評価支援プログラム構築-健常児・運動発達障害児の量的質的検討-
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26870791
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
久保 温子 西九州大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20454944)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼児 / 運動能力 / 体力 / こども |
Outline of Annual Research Achievements |
児童の体力・運動能力は体型の向上とともに1975年ごろまでは顕著な向上を示したが、1990年以降は低下傾向が続いた。2010年代に入り、低下傾向は下げどまりの様子も見られたが、小学校低学年では依然低い水準が続いている。かつては幼稚園児が出来ていた運動が小学校低学年児で出来ないなどの問題も生じ、幼児期から体力・運動能力に関心を持ち、働きかけることが求めれている。これまで新体力テストに該当しない6歳未満幼児の客観的データやライフスタイルとの関連性を検討した研究は少ない。本研究で平成26年度より健常幼児を対象に体力測定を実施し、評価方法の妥当性など検討してきた。 平成26年度から平成27年度においては、評価方法を精査しながら継続的に毎年100名以上の幼児の体力測定を実施した。測定結果については各対象園に資料としてまとめフィードバックを行っている。また検証結果について体型と運動能力について学術論文としてまとめた。また幼児の運動能力調査項目に加え、家庭や幼稚園で汎用出来るしゃがみ込テストに関する検討を小学生を対象に実施し、幼児ではほとんど問題のなかったしゃがみ込みテストについて小学高学年においては柔軟性低下のスクリーニングテストに成りえることを学術論文として発表した。 また、来年度以降、障害児へ対象を広げるための準備として超音波による筋厚測定と大腿四頭筋筋力測定などを加え予備研究を行った。その結果、障害児での測定について、今年度は実際の測定を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常児を対象としたデータを継続的に収集できた。対象者数についてはおおむね当初予定していた通りである。また評価項目については予定していた項目以外に研究を通して必要と思われた項目を加え実施することが出来た。来年度以降も継続的に健常児データは収集する予定がすでに立っている。一方、障害児データについては今年度収集予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
健常幼児を対象とした体力・運動能力・ライフスタイルの関連性検討のためデータ収集を継続する。また運動発達障害児を対象にデータを収集するため、平成27年度健常児で新たに取り入れた評価項目を加え、障害児の体力・運動能力測定の信頼性ならびに意義について検討を進めていく。 また研究最終年度となるため、体力・運動評価支援として、家庭や幼稚園で実施出来運動評価また臨床現場で障害児に応用可能な評価方法について、学術論文として公表出来るようデータ収集と併行してまとめを行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に繰越をし、購入予定であった測定機器は今年度購入し、測定項目を増やし、測定を円滑に実施することが出来た。一方、謝金・人件費については測定後のフィードバックを実施することで、人件費・場所代・謝金など、ご厚意で測定させていただく場を多く確保出来たことで支払額が当初見込みより減額となった。また論文投稿についても1本は投稿料不要であり繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は研究最終年度となり、対象者をより広げていく予定である。対象者には運動発達障害児も含まれるため人件費・謝金の支払いが発生する予定である。
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