2015 Fiscal Year Research-status Report
障害者のきょうだいによる自己の語りとその受けとめ-将来の生き方に向けた支援の探究
Project/Area Number |
26870799
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Research Institution | Shohoku College |
Principal Investigator |
沖潮 満里子 湘北短期大学, その他部局等, 講師 (30707310)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 障害者のきょうだい / 質的研究 / 自己語り / 自己開示 / 自己エスノグラフィ / 対話的なインタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2の「きょうだいの自己開示や自己語りに関する思いや経験の研究」のインタビュー、および分析の一部を進め、論文化した。特に、障害者のきょうだいであることをパートナーに開示することとはどのような経験なのか、という問いを中心に、一人の女性協力者の語りを分析した。その結果、パートナーに障害者のきょうだいであることを伝える経験とは、お互いの間にこれまで話題になることのなかった「障害」や「差別」といったセンシティブなテーマが浮かび上がる瞬間となり、自分自分が健常者でもあり、一方遺伝等を疑われる障害者側の人間でもあるという二重性を意識させられるという、自分自身の脆弱性が露呈される痛みを伴う経験である、ということが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠に伴う体調不良により、予定していたインタビュー等を計画通りに進めることが困難であり、研究2が途中のままである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2が途中であるため、研究再開後に遂行していく。研究2は、「きょうだいの自己開示や自己語りに関する思いや経験の研究」であり、障害者のきょうだいに対して、2時間程度のインタビューを複数回実施する予定である。具体的には、きょうだいであることをパートナーに開示するまでの思いや経験、その後の自己の経験をどのように語り進めたのかという点を中心に聞き取り調査を実施する。それらのデータを、メタ観察、および構成主義的なグラウンデッド・セオリー・アプローチ等の方法を用いて分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
妊娠による体調不良のため、計画通り研究を実施することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
産前産後の休暇又間は育児休業による中断終了後、再開してから使用する予定である。
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