2022 Fiscal Year Research-status Report
障害者のきょうだいによる自己の語りとその受けとめ-将来の生き方に向けた支援の探究
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26870799
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
沖潮 満里子 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (30707310)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 障害者のきょうだい / 自己エスノグラフィ / 語り合い / 自己開示 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、障害者を兄弟姉妹にもつ人(以下、きょうだい)が、きょうだいであることをどのように周囲に開示し、経験を語るのかを当事者の語りから明らかにした上で、将来の生き方に関するきょうだいとその家族支援のあり方を検討することを目的としている。きょうだいの多くは「将来」に対して、特に結婚に悩みを抱えており、パートナーに障害者の兄弟姉妹の存在を開示し、拒絶されることへの不安を抱えていると言われている。
本研究では、きょうだいの将来の生き方に着目し、彼らが今後共に生きるパートナー等の周囲に対してどのような思いや葛藤を抱きながら自己の経験を開示し、語り始めたのか、実態や促進・阻害要因や問題点を明確にする。次いで、きょうだいの自己開示や語りをどのように受けとめたのか、受け手の体験を受け手の語りから明確にする。その結果から、結婚など人生の変化に伴う障害者家族に予測される危機に対する支援の可能性を検討する。
今年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面でのインタビュー調査というものがかなわなかった。オンラインでのインタビュー実施も検討したが、ただ話を聴くだけのインタビューではなく、その場における研究者と協力者の関係性を重視し、その関係性も分析に考慮する研究スタイルをとっていることからも、今年度の調査は延期とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インタビュー調査を延期としたため進められなかった。 また、今年度から別の大学に着任したため、初年度は研究にかけられるエフォートも少なかったことがもう1つの理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類となり、影響はあるものの、さまざまな活動に関しては緩和されてきているため、感染対策をきちんと取りながら可能な限りインタビュー調査を実施していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、調査が実施できなかったこと、また、国際学会への参加がかなわなかったことが理由として挙げられる。 次年度は、インタビュー調査の実施、および国際学会への参加・発表を実施する。
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Research Products
(3 results)