2017 Fiscal Year Research-status Report
食事バランスガイドと簡易型自記式食事歴質問票を用いた食教育の注意点の把握
Project/Area Number |
26870801
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Research Institution | Tsu City College |
Principal Investigator |
阿部 稚里 三重短期大学, その他部局等, 准教授 (10351214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食事バランスガイド / 簡易型自記式食事歴法質問票 / 食意識調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はポピュレーションアプローチの一環として食教育を行う際、性別、年代、その他の属性や理解度によって重点的に行うべき情報提供や説明項目を明らかにすることである。今年度は、成人前期および壮年期を調査対象とした。食生活には季節変動がみられるため、対象者を4-5月(春)、7-8月(夏)、10-11月(秋)、12-1月(冬)の4回に分けて調査を行った。初回の配布数は、成人前期女性101名、壮年期女性46名、壮年期男性46名であり、同意した回収数は成人前期女性55名、壮年期女性33名、壮年期男性21名だった。壮年期の平均年齢は、男性52.4±3.8歳、女性は50.2±4.1歳だった。女性に比べて、男性が心がけていなかった食意識は、減塩、減油、野菜摂取、バランスの取れた食生活および手洗いだった。女性に比べて、男性が持っていない食知識は、旬の食材、食中毒予防、自分の摂取量、健康的な料理の作り方だった。これらの25項目を合わせた食態度および食知識は、女性に比べて男性で低かった。女性に比べて男性で摂取量が少なかった主な栄養素(摂取エネルギーで調整)は、タンパク質、脂質、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、βカロテン当量、αトコフェロール、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸および食物繊維だった。女性と比べて摂取量が少なかった食品群(摂取エネルギーで調整)は、果実類および乳類であり、摂取量が多かった食品群は穀類および酒類だった。成人前期の女性の結果は、昨年度とほぼ同様であった。 以上の結果から、今年度は特に壮年期男女における食意識や食品摂取の違いを明らかにした。次年度以降も同様の調査を行い、今年度の結果が一般化できるかどうか検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画通り、昨年度からの続きである成人前期女性と本年度から新たに壮年期男女を対象に食事調査を行うことができた。今年度の調査結果のデータ解析もほぼ終わり、結果をまとめることもできた。本年度の研究成果をさらに考察して、次年度学会報告等行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度と同様に成人前期と壮年期を対象とし、食事バランスガイドを用いた食事評価と簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた食品・栄養素摂取量の把握から、対象者の食生活の実態と間違えやすい料理区分を明らかにする。以上の結果から、性別、年代、食事バランスガイドの理解度などの属性と上記の項目の関連を考察する。昨年度、回収した結果を返却し、その結果を元に対象者が食生活を改善する調査の回収率は27.4%に過ぎなかった。そこで今年度は1季節での調査の回収は1回のみとし、回収率を上げた。次年度も今年度と同様の調査方法で行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はほぼ計画通りに調査を行うことができた。一方、結果をまとめる時期と学会発表の時期が異なり、当初予定していた学会発表用の旅費を執行することができなかった。今年度の結果をまとめたので、次年度に学会発表をし、旅費を執行する予定である。
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