2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construct an integrated childcare system that encourages qualitative change of play. - Perspectives on the continuity of life -
Project/Area Number |
26870802
|
Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
吉次 豊見 湊川短期大学, その他部局等, 准教授 (00614877)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 生活の連続性 / スウェーデン / ドキュメンテーション / ルシア祭 / 園行事 / 認定こども園 / 幼保一体化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では認定こども園において,園と家庭や地域における遊びの循環・連環の中で遊びの質が更に高まるための保育システムの提示を目的とした。初年度の調査では, 認定こども園においても幼保と同様に季節や伝統行事に関する遊びが家庭と園で連続的に行われやすことが明らかになった。そこで幼保一体化されているスウェーデンの就学前施設の実践と比較検討を行った。本調査では日本の伝統行事と比較しやすい夏至祭とルシア祭を対象としたが, 長期間にわたって園生活と家庭に関連が深くなるルシア祭についてフィールドワークを継続し実施した。 ルシア祭は保護者が参加する数少ない行事である。保護者の前で子どもたちは歌も歌うが,成長の披露という意味ではない。伝統的なルシアやクリスマスに関する歌を毎年繰り返し歌い,日常には着ることのない特別な衣装に身を包み暗闇とわずかな光の中で過ごすその時間を保護者と共に楽しむ。一方, アドベントシーズン,ルシア祭の当日には教会で就学前の子どもたちから大人まで幅広い年齢の聖歌隊や合唱団が歌声を披露している。また, ルシア祭前後において園児が降園後家庭で行う遊びにはルシア祭に関連する遊びが見られた。このような遊びの連続性を構築する要因は保育構造・環境構成のみならず, 園と家庭との情報共有および園生活可視化文書(ドキュメンテーション)の活用が確認された。 特に子どもたちの育ちや学びの過程をドキュメンテーションで日々丁寧に可視化することによって,成長を促す・成長を披露するというねらいや保育的価値を行事=ルシア祭に求める必要はなくなり,四季の行事・地域に伝わる行事を幼児の生活リズムに合った形で取り入れることが出来る。そしてゆとりある時間の中で行事の原点を大切にすることが地域や家庭との連続性を作り,日々の子ども達の生活を彩り豊かにしていくことが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)