2014 Fiscal Year Research-status Report
誘引フェロモンと忌避フェロモンの統合モデルの提案と大規模群ロボットへの応用
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26870806
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
土居 茂雄 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70465912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 群知能 / マルチエージェント / グラフ巡回 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,誘引フェロモンと忌避フェロモンを統一して扱える概念を提案し,本研究では複数のエージェントによりグラフ上を協調して巡回するアルゴリズムを対象とした.この問題は,グラフの頂点を複数のエージェントが協調して均等な回数だけ訪問させる問題である.ノードがエージェントの訪問する点を表し,リンクが点の間をエージェントが移動できる関係を表す. まず本研究では,グラフの各ノードにエージェントの最終訪問時刻を対応付け,この各ノードの最終訪問時刻を各ノードにおける忌避フェロモンと対応付けた.この忌避フェロモンの量が多いほど,エージェントが次に移動するノードを決定する際に移動してきて欲しくない度合いを表す量となる.将来的に警備巡回に応用することを想定しており,エージェントの移動にはある程度のランダムに動く要素が必要となる. その上で,エージェントがどのノードに移動するか決定する際に,ある一定の確率でこの忌避フェロモンを利用し,エージェントのいるノードの隣接ノード集合の忌避フェロモンの量の最大値を用いて,これを誘引フェロモンを表す量に変換し,エージェントが訪問する確率をこの誘引フェロモンに基づき確率的に決定するアルゴリズムを設計し,それ以外は欲張り法に基づくアルゴリズムとして計算機シミュレーションを行った. 加えて,エージェントが誘引フェロモンに基づいて確率的に移動先を決定する際に,ノードの次数を考慮した確率を用いるアルゴリズムを設計した.これは,ノードの次数が小さいほど訪問されづらいことから,なるべく次数の少ないノードを中心に訪問させるように意図して設計した.これについてもScale-freeネットワークを対象として計算機シミュレーションを行い,エージェント数が少ない場合に効果があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
忌避フェロモンと誘引フェロモンとを対応付ける方法を設計できた.この方法により,ある程度のランダムに動く構成要素を入れつつも,訪問されていないノードを中心に訪問するようなアルゴリズムが設計できた.ノードの次数が少ないノードであればエージェントにより訪問されづらいことから,次数を考慮したアルゴリズムも提案し,ノードの次数に偏りのあるScale-freeネットワークに対して評価を行い,エージェント数が少ない場合により大きな効果があることを示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次数を考慮したアルゴリズムについて,より多くのグラフや環境の変動に対する評価を行う. また,新たなモデルとしてフェロモンの伝播モデルを提案し,グリッド環境の角などの訪問されづらいノードに対しても訪問できるアルゴリズムを検討する. 加えて,シミュレーション時刻により,忌避フェロモンと誘引フェロモンとを切り替えて実行するアルゴリズムのシミュレーションを行う. これらのシミュレーションを円滑に実行するため,老朽化した計算機を更新する,
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Causes of Carryover |
国際会議出張に係る費用が当初想定より抑えられたため,次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シミュレーションに用いている計算機が老朽化しているため,その一部の更新費用として充てる.
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