2015 Fiscal Year Annual Research Report
触媒成長を用いたⅣ族半導体結晶形成プロセスの極低温化
Project/Area Number |
26870815
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
角田 功 熊本高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00585200)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低温結晶成長 / ゲルマニウム / シリコンゲルマニウム / 非熱エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では低融点(150℃以下)フレキシブル基板上に集積回路やディスプレイを集積した多機能端末の実現を目指し、高品質Ge結晶を150℃以下の極低温で形成できる手法の探索を行なった。これまでに研究を行なってきた金触媒を用いた結晶成長手法では、非晶質Ge材料を結晶化させるためには、250℃の比較的高温の熱処理が必要であるため、フレキシブル基板の軟化温度の150℃以下で結晶成長が誘起できないとの課題があった。そこで結晶成長温度の更なる低温化を目指し、金触媒結晶成長手法に電子線照射法や応力を印加する手法を組み合わせた結晶成長手法を提案し、その結晶成長過程を評価した。先ず、電子線照射法を組み合わせた手法では、結晶成長速度を約2倍に促進することを明らかにした。さらに、成長速度の促進は、電子線照射の加速エネルギーに大幅に依存することを見出した。しかし、電子線照射はマシンタイムが限られるなどの制約も多い。そこで、我々は別の手法として、応力印加法を組み合わせた手法に展開し、非晶質Ge材料の結晶成長温度を150℃以下に迄、低温化できることを見出した。さらに、Ge材料をSiGe混晶材料にも展開して、SiGe(Ge濃度80%)混晶材料の低温結晶成長においても応力印加が有効であることを見出した。しかしながら、SiGe混晶材料の場合、200℃の熱処理が必要であることが課題として残り、結晶成長技術の更なる高度化が必要である。
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