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2014 Fiscal Year Research-status Report

発達期海馬周辺皮質における同期活動の解析

Research Project

Project/Area Number 26870825
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

稲田 浩之  生理学研究所, 発達生理学研究系, 特任助教 (80613702)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords海馬周辺皮質 / 自発活動 / カルシウムイメージング / 2光子顕微鏡
Outline of Annual Research Achievements

発達期の神経細胞集団が示す自発的な同期活動は神経回路の編成過程に重要な役割を持つことが報告されている。本研究では発達期海馬周辺皮質の自発活動が神経回路形成に果たす役割を検討している。当該年度は生後2週齢以内のマウス大脳皮質急性スライス標本を作製し、広域カルシウムイメージングによって海馬、海馬支脚、嗅内皮質で自発活動を捉えることに成功した。さらにこれら海馬周辺皮質の自発活動の発生頻度を定量的に評価した上で、それらが独立に生じているのか、あるいは同一の発生源を持ち領域間を伝播しているのかを検討している。具体的には、2光子顕微鏡を用いたカルシウムイメージングによって自発活動を確認した後、スライス標本で各領域間の結合を機械的に切断した上で発生頻度の変化を定量的に検討している。仮に海馬、海馬支脚、嗅内皮質の各領域の局所回路でそれぞれ独立の機構で発生していた場合、領域間の結合を切断しても発生頻度には殆ど影響がないと予想されるのに対し、同一の発生源を持ちシナプス結合を介して活動が伝播していた場合、切断によって発生頻度が著しく減少する領域が認められると予想される。さらにこれまで、発達期海馬の同期的な自発活動には興奮性のGABA作用が重要な役割を果たしており、GABA作動性シナプス伝達の阻害剤によってその活動が消失することが報告されている。そこで、薬理学的手法により海馬領域の自発活動を阻害した時の海馬支脚および嗅内皮質の活動の変化について検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究は概ね当初の計画通り進んでいる。当該年度の目的であった各領域における自発活動の定量的解析については、生後5日から12日齢にかけての自発活動の発達変化に関するイメージングデータを既に取得しており現在解析中である。さらにbumetanideやfurosemideといった、Cl-トランスポーターの阻害剤を投与することでGABAの興奮/抑制作用を操作した時に自発活動の発生頻度と伝播過程がどのように変化するかを検討中である。前述の領域間のシナプス結合を機械的に切断した実験と合わせて、薬理学的手法を用いてGABA作動性シナプス伝達に焦点を当てた分子メカニズムを明らかにすることにより、本研究課題の目標である発達期海馬周辺皮質の自発活動の発生・伝播機構に関する重要な知見を得られると期待されるため、概ね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

これまでは蛍光指示薬を用いて観察をしていたが、今後はrAAVを使ってGCaMP6を遺伝子導入することによりカルシウムイメージングを行う予定である。これによりスライス深部の同期活動を捉えられると共に、スライス培養標本と組み合わせることで同じ神経回路における自発活動の発達変化を経日的に捉えることが出来ると期待される。さらに現在、発達期マウス海馬周辺皮質の同期活動をin vivo観察するための新たな手法の開発なども検討していく予定である。

Causes of Carryover

3月に購入した試薬の会計が次年度送りになったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

物品購入に使用する。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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