2016 Fiscal Year Research-status Report
日本語母語話者を対象とした日本語音響特徴の聴取訓練法の開発
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26870865
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
網野 加苗 科学警察研究所, 法科学第四部, 研究員 (70630698)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 聴取訓練 / 実用音声学 / 音響特徴 / 聴能形成 / 母語話者 / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本語音声言語を実務として専門的に扱う日本語母語話者(日本語教師,アナウンサー,言語聴覚士,音声鑑定人など)を対象に,実務上,弁別・識別できることが必須である音響特徴のメタ認知的知覚を可能とするような聴取訓練法を開発する.特に,音の高さや強さの感覚であるいわゆる音感に注目し,音感の訓練を導入することで音響特徴の聴取成績の向上を図る. これまでに行った実験では,5つの音響特徴(摩擦音の弁別,ガ行子音の弁別,アクセント型の弁別および識別,母音の無声化の有無の知覚,円唇・非円唇母音の弁別)と4種類の音感(高さ,大きさ,持続時間,音色の知覚)を対象とし,音響特徴の知覚と音感の間に関係があることを確認した.2年目からは,実験参加者への聞き取り調査において不安を感じる人の多かったアクセント型の識別に重点をおき,音感との関連や聴取訓練の効果を調査してきた.実験参加者11名を対象に,1~2ヶ月の間隔を開けて複数回の聴取訓練実験を行った結果,純音の高さの弁別とアクセント型の識別に有意な正の相関があること,実験回数を重ねるごとに聴取成績が向上する人が多いことなどが分かっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年5月から平成29年4月までの間,出産・育児のための休業により,研究が中断したため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を一年間延長して,平成29年4月半ばより研究を再開し,平成28年度中に行う予定であった内容を平成29年度に行う.具体的には,音感の訓練を行わない場合にアクセント型の弁別・識別成績がどのように変化するのか(しないのか)を調査する.また,現在までに行った実験の結果をまとめて,口頭・誌上での発表を行う.
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Causes of Carryover |
平成28年5月~平成29年4月までの間,出産・育児のための休業により研究を中断したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間を一年間延長し,当初平成28年度に執行予定だった内容を平成29年度に執行する.
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Research Products
(6 results)