2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870877
|
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
高橋 陵宇 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (10625510)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | がん治療 / 乳がん / microRNA / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ルミナルタイプの乳がん細胞株においてノンコーディングRNAの1つであるmicroRNA-27b(miR-27b)の発現低下あるいは欠失によりドセタキセル耐性が誘導されることをこれまでに見出している。 平成26年度は、ルミナルタイプのヒト乳がん細胞株2種類(MCF7とZR75-1細胞)を用いて、miR-27bの発現低下によりドセタキセル耐性が誘導される機序を検討した。その結果、miR-27bの発現低下により薬剤排出能が著しく亢進しているside-populationが形成され、ドセタキセル耐性が誘導されることを明らかにした。 side-population は高い造腫瘍性を示す細胞集団であることがすでに報告されていることから、miR-27bを過剰発現あるいは抑制したMCF7細胞株を持ちいて動物実験を行い、それら細胞株の造腫瘍性を評価した。その結果、miR-27bの発現低下に伴い腫瘍形成能が著しく亢進することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた通り、平成25年度の研究計画に沿って研究は推移している。miR-27bの発現低下によりドセタキセル耐性と造腫瘍性が誘導されたことから、がん幹細胞形質の獲得にmiR-27bが重要な役割を果たすことが示された。また、これらの結果から、miR-27bの標的分子群を同定することが重要な課題になりうると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、乳がん細胞株においてmiR-27bの発現低下に伴いside-populationが形成され、その結果、ドセタキセル耐性だけでなく造腫瘍性の亢進も誘導されることを明らかとした。 上記の結果は、miR-27bの発現低下によりがん幹細胞集団が形成されことを示唆している。また、miR-27bの発現を制御することが、難治性乳がんに対する新規治療法の開発にもつながると考えられる。 平成27年度は、miR-27bを過剰発現あるいはノックダウンした細胞株を用いて網羅的な発現解析を行い、その標的分子群を同定する。また、併せて、自身が所属しているがん研究センターの臨床検体(約100症例)を用いて、標的分子群の発現と悪性度に相関が見られるかを検討する。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に予定していたmRNAアレイを用いた遺伝子発現解析をH27年に持ち越したため、113,023円分の持ち越しが生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26年度分の113,023円とH27年度分の研究費を合わせて、遺伝子発現解析を行い、miR-27bの標的分子を同定する。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Clinical relevance and therapeutic significance of microRNA-133a expression profiles and functions in malignant osteosarcoma-initiating cells.2014
Author(s)
Fujiwara T, Katsuda T, Hagiwara K, Kosaka N, Yoshioka Y, Takahashi RU, Takeshita F, Kubota D, Kondo T, Ichikawa H, Yoshida A, Kobayashi E, Kawai A, Ozaki T, Ochiya T.
-
Journal Title
Stem Cells.
Volume: 32
Pages: 959-73
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-