2014 Fiscal Year Annual Research Report
転写調節分子CITED2による肥満の進展メカニズムの解明
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26870882
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
山地 大介 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (80646357)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肥満 / CITED2 / 脂肪 / 交感神経 / 転写 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写調節因子CITED2は、肝臓におけるcAMPシグナル依存性の糖新生制御に重要な分子である。申請者らは、脂肪組織特異的CITED2遺伝子欠損マウス(CITED2-AdipoKO)を用いて本分子の脂肪細胞特異的な役割を検討した。CITED2-AdipoKOは対照マウスと比べて、通常食飼育下では体重、血糖値などに差を認めなかったが、高脂肪食飼育下では軽度の体重の減少を呈した。NMR法によるfat massならびに各脂肪組織重量の測定から、体重の減少は脂肪組織重量の低下によるものであり、コールターカウンターを用いた脂肪細胞径の計測より脂肪細胞の小型化を伴うものであることが明らかとなった。 CITED2-AdipoKOにおけるやせの原因を明らかにするために、交感神経刺激時の脂肪分解能を評価した。イソプロテレノールを投与した高脂肪食負荷マウスの血中、およびcAMP刺激した初代培養白色脂肪細胞の培地中の遊離脂肪酸濃度に差は認められなかった。次にエネルギー代謝能の指標としてマウス個体および単離成熟褐色脂肪細胞の酸素消費量を計測したところ、ノルアドレナリン刺激前は両群で差は認められなかったが、刺激後にはCITED2-AdipoKO脂肪細胞において増加傾向を認めた。これまでのところ、CITED2-AdipoKOマウスの肥満抵抗性の原因として、交感神経刺激時の脂肪細胞の脂肪分解の亢進よりは、むしろエネルギー消費の亢進が関与するものと推察された。本研究は主任研究者の転職により本年度で中止となった。
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