2015 Fiscal Year Research-status Report
コンパクトカロリーメータを用いた外部放射線治療現場における絶対線量計測技術の開発
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26870900
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
清水 森人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 分析計測標準研究部門, 主任研究員 (20613988)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 高エネルギー光子線 / 水吸収線量 / カロリーメーター / リニアック / 放射線治療 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
外放射線治療における投与線量の不確かさを軽減するため，コンパクトグラファイトカロリーメータを用いて，医療用小型リニアック装置からの高エネルギー光子線の水吸収線量を計測する技術を開発した．コンパクトグラファイトカロリーメーターは一般的な医療施設でも所有している水ファントムに取り付け可能な形状にした．また，カロリーメータの測定を速やかに実施できるよう，熱抵抗素子による温度計測を従来の2端子測定法から4端子測定法に変更するなど，計測回路全体のブラッシュアップを2015年度は行った．
2016年3月末に予定通り，医療施設における試験測定を初めて実施したところ，カロリーメータの温度安定化が不十分であったため，校正の統計不確かさが1σで0.5 %にとどまったものの，最終的な相対拡張不確かさは目標の1.9 %を達成できることは確実である．
2016年度はカロリーメータの温度安定化にかかる時間を短縮できるよう外部温度調整機構を取り付けるとともに，計測方法の細かなブラッシュアップを行い，統計不確かさを1σで0.1%以下に抑えることを目標として，研究に取り組む．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は予定通りコンパクトグラファイトカロリーメータの試験測定を行いつつ，医療施設での測定に向けた計測回路のブラッシュアップとして，4端子測定法による温度計測の導入などを行った．2016年3月には実際に医療施設に持ち込んでの測定を実施した．
計測回路のブラッシュアップでは，従来のカロリーメータは熱抵抗素子の抵抗値を2端子測定法で測定することで温度計測を行っていたが，回路を組み直した際の再現性が悪く，調整に長時間がかかることが課題であった．そこで，あらたに4端子測定法による抵抗測定を可能にし，カロリーメータに導入した．これにより，回路の再現性が向上し，調整に必要な時間を短縮できるようになった．
医療施設での測定結果では，カロリーメータ内の温度が安定するのに，予想以上に時間がかかり，温度安定が不十分なまま測定を行ったため，測定結果の統計不確かさが1σで0.5 %であった．不確かさが大きいという課題は残ったものの，実際に医療施設に持ち込んで一連の測定を実施することが可能な事が確認でき，改善に必要な問題点の洗い出しなどが実施できた．
以上のことから，おおむね順調に進展していると判断する．
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| Strategy for Future Research Activity |
2016年度はカロリーメータの温度安定化の短縮を図るため，恒温槽から水温を一定に保った循環水を水ファントム中に循環させることで，カロリーメーターの温度安定化時間の短縮を図る．また，これにより，測定値の統計不確かさも改善されることが期待される．測定方法もこれまでの準断熱測定だけでなく，等温測定法による線量率に基づいた測定方法の検討も行い，医療施設における測定時間の短縮を進めることで，実用性を向上させていく．
以上の計測方法の改善を進めると共に，今年度はこれまでの成果を論文にまとめ，発表すると共に，FFF光子線などの測定実験を進め，FFF光子線用の水吸収線量標準の供給に向けた準備を進めていく．
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| Causes of Carryover |
計測機器の運搬費が公用車の利用などによって，想定より安く抑えることができたため．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額分については，外部実験のための装置運搬費などに使用する．
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