2014 Fiscal Year Research-status Report
4次元培養環境制御によるBBB in vitro 脳毛細血管組織の再構築
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26870904
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
柳川 史樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 産総研特別研究員 (50645877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 創薬スクリーニング / バイオMEMS / マイクロプロセス工学 / 三次元培養 / 灌流培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に計画していた、申請者らの開発した光開裂性架橋剤(NHS-PC-4armPEG)を用いて、本検討に適した「細胞接着性を有する光分解性基剤の組成検討」および「灌流型マイクロデバイスの流路設計および加工」を行った。その結果、ゲル組成を調整することで、細胞接着性の制御が可能であることが明らかとなった。さらにゲルの光分解能については、光照射強度とゲル組成の相補的なコントロールにより、制御可能であることが明らかとなった。これら三次元パターン化ゲルの細胞接着性に関する知見を国際学会にて報告した。さらに開発したゲルを用いた灌流培養を遂行するため、灌流培養に適したデバイスのプロトタイプ開発を行った。その結果、パターン化ハイドロゲルの導入が可能な開閉型マイクロデバイスの作製に成功した。しかしながら本プロトタイプ機は、間質流による灌流培養を行う上では問題ないが、当初計画していたパターン化ハイドロゲル内における長期灌流培養をデバイス内で遂行するにあたり、さまざまな課題が生じている。その一例として、①ゲル-デバイス間の密閉性向上した流路設計、②ゲル膨潤に影響されないパターン化ゲルの作製、③灌流培養下でパターン化ゲルの形状維持および細胞接着性向上のためのゲル組成最適化、④高濃度光開裂性架橋剤使用時の細胞傷害性の影響などの課題が生じている。そこで次年度は、上記の課題を解決した上で長期灌流培養に適したデバイス開発を進め、細胞を用いた工程の再現性についてより詳細な検討行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通り進行しているが、「灌流培養を目的とした流路デイバスの開発」および「細胞長期培養に最適なゲル基材の開発」に多少の課題が生じ始めてる。具体的には、「灌流培養に適したゲル強度」-「細胞培養に適したゲル組成」は、共に架橋剤濃度に影響される因子であり、ゲル強度をあげるには高濃度架橋剤使用が要求される。しかしながら、高濃度の架橋剤を用いた際には、N-ヒドロキシスクシンイミド基の細胞障害性の影響が否めない。さらに同条件下では、光分解性を左右するo-ニトロベンジル基の基材内濃度も上昇するため、ゲルの光分解性も低下する。上述した影響因子すべて満たす培養環境を灌流デバイス内で再現するには、より精密なデバイス設計が要求されており、これまでに得られた知見を生かしてうえで、流路デバイスの設計変更およびゲル組成の最適化を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
①長期的に安定な形状維持が可能、②細胞培養基材に適し、③灌流デバイス内で固定化することが可能な「ハイドロゲルおよびマイクロ灌流培養デバイス」が要求されている。①-③を相補的に満たしたマイクロ培養環境を構築した上で、長期灌流培養実験を遂行し、組織学的な評価を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
会計手続き上、物品購入額に誤差が生じたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品購入または旅費の調整費用として使用予定
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